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王会長“ノルマ”越えへ。ホークス砂川リチャードが台湾WLで豪快打だ

田尻耕太郎スポーツライター
驚異のパワーで成り上がれ

ヤクルト吉田がサイクル目前4安打。味全・川崎宗則は出場せず

 台湾で行われているウインターリーグ。NPB紅(福岡ソフトバンク、埼玉西武、東北楽天、オリックス、東京ヤクルト)は25日、斗六球場で川崎宗則内野手が所属する味全ドラゴンズと対戦した。川崎内野手はこの日出場しなかった。

【11月25日 ウインターリーグ 斗六】

NPB紅 022210000 7

味全   100000011 3

<バッテリー>

【N】伊藤(L)、引地(E)、神戸(B)、重田(H)――フェリペ(B)、古賀(S)

【味】郭郁政、陳民志、呉俊杰、劉家エイ、林旺億、李宇翔――魏全

<本塁打>

【N】吉田(S)、山野辺(L)、小郷(E) 【味】呉睿勝

<戦評>

 初回に先制されたNPB紅だったが、打線が活発で一度主導権を取り返すとそのまま快勝した。二回に山野辺(L)の中前適時打などで逆転。三回には吉田(S)のソロ弾と2アウト一、三塁からの重盗で追加点を挙げ、四回にも山野辺のソロ、濱田(S)の適時三塁打で畳みかけた。五回には小郷(E)が流し打つ左越え本塁打を放った。吉田は本塁打、単打、三塁打を放って迎えた打席で単打。サイクル達成はならなかったが、4安打1打点でヒーローになった。

 投げては伊藤翔(L)が二回以降は持ち直して5回1失点。4番手の重田(H)は直球のスピードこそ出ていたが簡単に弾き返されて2回2失点と課題を残した。

 味全に所属する川崎宗則内野手は23日の開幕戦で初回に左安打を放った際に脚を故障した模様でこの日はベンチ入りしなかった。しかし、川崎は軽症を強調していた。(了)

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王会長との約束以上の成績を!

 バットとボールの衝突音。打球の速さが周りと明らかに違う。

 普段ホークスを取材しないメディア関係者が記者席の隣で驚きの声を上げていた。ホークスの育成枠、砂川リチャードがこの試合では一発こそなかったものの、2本の長打で持ち味を発揮した。二回の第1打席ではスライダーにしっかり反応して左中間を真っ二つに破る二塁打。七回の第4打席では左腕の直球を右中間へ鋭いライナーで運んだ。

 宮崎秋季キャンプ中、ホークス王貞治球団会長に「(18試合で)6本打ってきます」と宣言。王会長は868ホーマーを放った現役時代に3試合に1本塁打を目安にしていたという。「合格したら、何かやるよ」という言葉をかけてもらい俄然やる気になっている砂川は、開幕2戦目だった24日の試合でさっそく大きなアーチを放った。

「今日の最終打席も狙ったんですけどね。三振しちゃいました」

タカの系譜を感じた豪快スイング

 かつてタカの主将だった小久保裕紀氏が「背骨がバキバキなるくらい」と話していたのを思い出させるほどの力強いスイングだった。

「王会長の言葉はメチャクチャ意識しています。他の選手がホームランを打った時も『その一本、俺に分けてよ~』と思っちゃいますもん(笑)」

 NPB紅を率いる藤本博史監督(H)も期待を込めて3試合続けて4番で起用している。とりあえず出だしの3試合で1本塁打。ノルマ達成ペースだが、砂川はどん欲にさらに高みを目指している。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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