ワカモノのミカタ政党はどこだ!若者が選んだ「投票したい」政党は?
いよいよ明日7月4日に参議院選挙の公示、21日には投開票が行われる。
筆者が代表理事を務める日本若者協議会では、各党の公約に若者の声を反映させようと、主要政党である、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会の6党に対して、2019年2月から政策提言を行ってきた。
若者の声が公約に反映
2016年の参議院選挙、2017年の衆議院選挙においても、「若者の政治参加」について政策提言を行い、主要政党の公約に提言が反映されてきたが、当時は「18歳選挙権」が実現された年。
どの政党も若者に向けたイベントを数多く開催し、アプローチを強めていたため、「反映されやすい」環境であった。
しかし、下記で示すように、今回の参議院選挙においても、若者の意見が反映され、徐々にではあるものの、政策立案過程に若者の声が入り始めているようだ。
若者の政治参加においては、主要6党全党で「被選挙権年齢の引き下げ」(検討・めざすも含まれるが)が入り、特に公明党の公約には「若者政策担当大臣」と「若者政策担当部局」の設置、「審議会への若者の登用」、「若者議会の開催」が含まれた。
また今回のユース・パーラメントでは、「若者の政治参加」以外にも、教育、子育て・女性の社会進出、社会保障、自殺・いじめ・児童虐待などについて、全党に対して計33の政策提言を行ったが、各テーマで提言を反映させることに成功している。
教育においては、自民党、公明党の公約に「教員の働き方改革」が載り、特に公明党は「給特法」の見直し検討まで踏み込んでいる。
他にも、高校生の就職活動における「1人1社制」ルールの見直しや、若手研究者の待遇改善などが盛り込まれた。
「子育て・女性の社会進出」においては、国民民主党の公約に「男性の育休義務化」が反映された。
若者が投票したい政党はどこか?
日本若者協議会は、39歳以下の若者団体であり、その多くは10代の学生だ。
しかし、18歳未満の学生は実際の選挙において票を投じることはできない。
また、6月27日に日本財団が18〜19歳を対象に行った調査結果で示したように、若者の方が政党より政策を重視する傾向が強いように感じる。(日本財団「18歳意識調査」によると、投票判断基準の1位は「政策」が約60%、2位は「政党」の約20%)
そこで、日本若者協議会では、どの党がどういう政策を掲げ、若者の声を反映させているのか、公約比較のイベントを開催し、若者を対象に模擬投票を実施。
イベントにおける各党政調会長を中心とした議員の討論の様子、公約比較表をもとに投票してもらった。
投票はウェブ上で実施したが、本人確認を厳密に行うために、日本若者協議会の個人会員245名のみを対象に行い、14歳〜37歳の計140名から回答を得た。
公約比較表
https://www.slideshare.net/youthcommissionjapan/sangiin-kouyakuhikaku20190619
イベントの様子はニコニコ動画で見ることができる。
https://live.nicovideo.jp/gate/lv320448315
結果は、自民党と日本維新の会が23%の支持を集め同率1位、3位も立憲民主党と公明党が17.2%で同率、5位は16.1%で国民民主党と、ほとんど僅差の結果となった。
また年代別で見ると、10代は自民党が1位、20代は日本維新の会、30代は国民民主党、公明党、日本維新の会が同率1位となった。
さらに男女別で見ると、女性は公明党が1位、男性は自民党が1位という結果になった。
投票の際に重視する関心あるテーマとしては、若者の政治参加と教育が多かった。
その他の関心あるテーマとしては、「憲法改正」、「防災・減災」、「子どもの貧困」、「コンパクトシティ政策、地域振興」、「宇宙開発、防衛」、「きちんと党派を超えて話し合ってくれるか」というものもあった。
各党の支持理由は下記の通り。
自民党は「実行力」、日本維新の会は大阪での実績やイベントに登壇した足立康史議員への評価が高かった。
各党の主な支持理由
○自民党
・一番信頼できる。実行力が桁違い
・長年与党として国政を運営しており、そのキャリアから得た事を現実性を見込んで政策に反映できていると思ったから
・少子高齢化対策への最も現実的かつ効果的な方針を打ち出しているから
・政治の安定性では1番だから。他党の政策がイマイチ具体性がないから
・そもそも他の政党が政治を引っ張ってくことができるのか不安
・与党の政策立案能力を評価しているから
・現在の改憲の姿勢にある程度賛成。ただ若者の意見を、という点ではまだ取り組みが他の党(たとえば国民民主党)と比べて弱い
・一人一人これまでお会いしてきた政治家の方々は他の党と比べて勉強されている方が多いイメージ。ありきたりだが「他の党に任せるよりはマシ」という感覚
○立憲民主党
・マイノリティに向き合う姿勢を見せているから
・積極的に若者と交流する機会に参加していて好印象だし、公約も現実的
・保育無償化についての考え方が明確だったから
・枝野さんが頑張っているから
・現実をよく分析していて、社会が良くなりそうだから
・逢坂さんの答弁を聞いて
・一番話していた議員の人が、真面目で公約も達成してくれそうな感じがしたから
○国民民主党
・具体的に数値目標を挙げてのマニフェストだったから
・政策として家計第一を打ち出しているところ
・国民民主党の現実的路線、国会対応や動画政党として情報発信が良い
・泉ケンタ政調会長の国会改革の方針
・家賃補助や児童手当、男性の育休義務化など、若者向けの政策が多いから
・内政に限るが、私とほぼ同意見の政策であるから
・党首の玉木代議士を支持しているから
○公明党
・実績を残しているから。意見を真剣に聞いてくれるから
・若者担当大臣をつくるぐらいの意気込みを感じた。あと、地方選挙のときから、アンケート結果(ボイスアクション)のことを言っているのを見聞きしたので一貫性がありいいと思った
・公約に網羅性があり実績もあるから
・幼児教育・保育無償化、高等学校大学・専門学校など高等教育の無償化など多くの政策で若者の声をしっかり聞いてくれる政党だから
・教育支援を一番積極的にしているから
・石田政調会長がパネラーや参加者の意見に一番誠実で真摯に答えていたという印象でした。政策もどの政党よりも多くかつ細かかったので公明党を選びました
・どのテーマにおいても他の党と比べて、誰のために何のためにとる政策なのかが具体的だったから。例えば、自民党は漠然としすぎているし維新の会は理想主義すぎて両者実現への具体性に欠ける。また、公明党は提言したことを1番反映しているように思ったから
・特に教育関連の問題に関しては公約が充実してるように思えたから
・若者と女性の政治参画や社会進出に向けて具体的な案であると思った
○日本共産党
・高校生でも政治活動ができるようにすることを言及していたため
・「高校や大学での政治活動を自由にする」という政策に惹かれました
○日本維新の会
・今1番国のために力を尽くしている野党だから。提案できる野党は維新だけ
・本当のことを本当に言える政党だから
・日本の様々な制度を根本から改善してくれそうだから
・大阪での実績を全国に波及して欲しいと思うから。また、国政政党の方針でも自分の考え方と近いと思うから
・足立さんが口だけの政治家は嫌だと言っており、彼のいる政党なら提言を実現しそうだから
・鋭い論点と質問に対して明確に回答していく姿勢
・現役世代のことを考え、既得権を打破し、国民本意の政治をするから
・第3極として期待している
・小さな政府、財政再建路線が日本の進むべき道だと思っており、維新が最も思想が近い党だから