昨年4月に打率4割を記録しながら、7月に引退騒動の「ヤーミネーター」が移籍
6月18日、ヤミーン・マルセイディスは、サンフランシスコ・ジャイアンツのユニフォームを着てキャップをかぶった、自身の写真をアップした。どうやら、合成らしい。
その6日前に、マルセイディスは、シカゴ・ホワイトソックスの40人ロースターから外された。ウェーバー公示中のマルセイディスに、ジャイアンツが獲得の名乗りを上げた。
昨シーズンは、最初の8打席ともヒットを打ち、4月は打率.415と出塁率.455を記録した。長打は、ホームランと二塁打が5本ずつ。月間最優秀新人に選ばれた。この時点で28歳ながら、メジャーデビューは2020年8月。しかも、このシーズンの出場は、1試合しかなかった。ファーストネームに引っかけ、いつしか「ヤーミネーター」と呼ばれ始めたマルセイディスは、このニックネームが浮き出るように、髪の毛を刈り込んだ。
けれども、その後の打撃は下降していき、7月上旬にAAAへ落とされると、下旬にインスタグラムで「イッツ・オーバー(おしまい)」と引退を表明した。おそらく、球団はマルセイディスと話し合ったのだろう。翌日、マルセイディスは、不死鳥の画像をアップし、引退を撤回した。そのコメントの最後には「みんな愛してるよ アイム・バック(戻ってきた)」と記してあった。
結局、昨シーズンの再昇格はなく、AAAでプレーし続けた。成績は、メジャーリーグの68試合が、打率.271と出塁率.328、7本塁打、OPS.732。AAAの59試合は、打率.275と出塁率.318、11本塁打、OPS.782だった。今シーズンも、昇格はしていない。故障で1ヵ月出遅れた後、AAAの25試合で打率.230と出塁率.376、4本塁打、OPS.801を記録している。
今後、マルセイディスは、ジャイアンツのAAAでプレーする。ジャイアンツには、左打者が多い。マルセイディスを獲得したのは、これが理由だと思われる。昇格がいつになるのかは、まだわからない。現時点では、同じ右打者のダリン・ラフが故障した場合のバックアップという位置づけだろう。
なお、ツィートの写真とともに書き込まれているフレーズは、「アイルビー・バック」ではなく、「ニュー・ホーム」だ。