「あたりまえの基準」をアップさせる3つのポイント
「あたりまえの基準」とは
結果を出す人は「あたりまえの基準」が高いと言えます。まず「あたりまえのこと」とは、誰かから【3回も】念を押されたら腹が立つこと、と定義し、解説します。
たとえば、お客様のところへ約束の時間どおりに訪問することが「あたりまえ」になっている人が、「遅刻せずに行きなさい」と誰かに言われたらイラッとするでしょう。1回なら無視できますが、2回も3回も同じことを言われたら、
「あたりまえだろう! お客様のところへ遅刻せずに行くって」
と言い返したくなるはずです。
もしも、しょっちゅう遅刻する人がいれば「あたりまえ」になっていません。
自分で決めたことはキチンとやり切ることが「あたりまえ」になっているか。目標があれば、それを絶対達成するのが「あたりまえ」になっているか。やり切れるかどうか、達成するかどうかは関係がありません。大切なことは「あたりまえ」になっているかどうか、を自問自答してみましょう。
「そこまでしなくていい」という無意識の判断
「あたりまえの基準」が低い人は、常識的なことであるのにもかかわらず、「そこまでやらなくてもいいだろう」と無意識のうちに捉えています。
4月から管理職に昇進する人がいるとします。これまで部下を持ったことがない人であれば、「リーダーシップを発揮するにはどうすればいいか」「部下を育成するにはどうすればいいか」「PDCAサイクルを回すにはどうすればいいか」などと考えるのはあたりまえです。そして、そのことを学ぶために本を読んだり、セミナーを受講したりするのもあたりまえ。会社から勉強しなさいと言われなくても、自発的に動くのが常識です。
しかし、そのように動けない人は「そこまでしなくてもいいだろう」「誰も管理者教育なんて受けてない。何とかなる」と受け止めているのです。「あたりまえの基準」が低い人の周りには、必ず同じように基準の低い人がいます。その人たちを参考にご自身の価値基準を決めているので、「そこまでしなくてもいい」と判断をしてしまうのです。
「あたりまえの基準」をアップする3つのポイント
それでは「あたりまえの基準」をアップするにはどうすればいいのか? ポイントを3つ書いていきます。
■ ロールモデルとなる偉人の書籍を「垂直読書」する
■ 「あたりまえの基準」の高い人と定期的に会う
■ 「あたりまえの基準」が高く、ビシッと言ってくれる人の指導を受ける
この順番は、「感度」の高い順と受け止めてください。
感度が高い人であれば、偉大なる先人たちの書籍を「垂直読書」すれば、それだけで「あたりまえの基準」は高くなります。(※「垂直読書」とは、同じ著者の本を10冊ほど連続して読み、著者の思考パターンを刷り込むような本の読み方) その著者がどのようにして苦難を乗り越え、事を成し遂げたのか、自分に当てはめて読むことで、「自分はもっとこうしなければならない」「自分はまだまだやれることはたくさんある」と思えてきます。
「あたりまえの基準」の高い人に直接会うことは、書籍などとは比較にならないほどインパクトが強いでしょう。アポイントをとって話すことができればいいですが、無理であれば講演でもセミナーでもいいですから、積極的に出かけましょう。
ただ、「この人には絶対に何をやっても勝てない」ような人ではなく、「ちゃんとやれば自分も同じようになれるだろうけど、現時点では完全に負けている人」と会うことをお勧めします。同期や先輩ですごく仕事ができる人と接触するのもいいでしょう。そういう人と会うことに葛藤を覚える場合、その人よりも「あたりまえの基準」が低い証拠です。
「あたりまえの基準」の高い人と直接会うと、居心地の悪い感じがします。この感覚を大事にしましょう。特に自分よりも年齢が下の人で、仕事のできる人に会うことは刺激になります。
「自分より5歳も年下なのに、すごくしっかりしている。それに比べて自分はどうだろうか」
と、振り返るきっかけをもらえます。居心地のいい人とばかり会っていてはいけません。
感度が鈍い人は、直接ビシッと言ってくれる人をそばに置いたほうがいいでしょう。「あたりまえの基準」というのは、自分では気付かないものです。何が足りないかわからないわけですから、それをハッキリ言ってくれる人と一定期間過ごしましょう。普通、自分から進んで「叱ってくれる人」に近付きたいとは思わないでしょうが、自分で気付くことができないわけですから、そういう人を見つけ大切に付き合うことをお勧めします。
人は「人」から影響を受けます。「あたりまえの基準」を上げるポイントも、どの「人」に触れるかで決まってきます。現状を承認してくれる人とばかりいると「あたりまえの基準」は上がらないので、定期的に付き合う人を見直す勇気も必要ですね。