関東が梅雨明け 東京五輪の暑さ対策は待ったなし
関東甲信地方が梅雨明け
気象庁は19日午前、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表しました。平年より2日早い梅雨明けです。
東京の雨量は352ミリで、梅雨前線や台風、上空の寒気の影響で、2年連続で平年を上回りました。
左図は東京の梅雨の雨量を1980年からグラフにしたものです。みどり線は平年の雨量(287ミリ)を示しています。梅雨の雨は多い年、少ない年の差が大きく、どちらかといえば、少ない年の方が目立ちます。梅雨の雨は夏の水がめとなるものですから、被害がない程度に降った方がいいのです。しかし、今年の7月上旬は梅雨空が長引いたため、農作物や消費に影響があり、一概には言えませんけど。
この先しばらくは夏の高気圧(太平洋高気圧)が強く、今月下旬にかけ、気温の高い状態が続きます。字のとおり「梅雨明け十日の猛暑」がやってきます。暑さには十分、お気をつけください。
東京五輪の暑さ対策は待ったなし
5年後の今ごろは東京五輪です。5年後の天気は予測できないけれど、もしも例年通りならば、今年と同じように梅雨が明けて、暑さが本格化している頃でしょう。これまでも開催時期の暑さについて懸念する声がありました。いざ、この暑さに遭遇すると、小手先な暑さ対策では焼け石に水だろうという思いが強くなります。
東京は猛暑都市
実際、世界でみると東京の暑さはどのくらいなのか、調べてみました。500万人以上の都市(北半球)の暑さを比べると、13都市中、東京は7番目です。上位はインドやタイ、シンガポールなど熱帯・亜熱帯の都市が多く、中緯度に位置する東京は異質な存在であることがわかります。
はたして、この厳しい暑さのなか、選手にも観客にも安全で快適な東京五輪が開催できるのか疑問です。今、新国立競技場の建設計画が問題になっていますが、名を捨てて実を取る、これが一番大切なことだと思います。
【参考資料】
気象庁:梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報(第2号),2015年7月19日11時00分発表
総務省統計局「世界の統計 2015」
国立天文台:平成24年理科年表
WMO(世界気象機関)ホームページ