限定復刻!鎌倉紅谷さん創業70周年「はちまんじゅう」バター香るしっとり生地と優しいこし餡が見事に調和
日々行列の絶えないお店は多々ありますが、一過性のブームに過ぎない、年齢層が限られているというお店もSNSではちらほら。
しかし、そうなるまでの礎があり、世代や性別、更には多彩な用途で愛されるお店や銘菓というものも存在します。その中のひとつが、神奈川県鎌倉市に本店を構える「鎌倉紅谷」さん。銘菓、クルミッ子でもお馴染みのお店は、元々は和菓子職人でいらした初代・有井鉄男氏と洋菓子職人の二代目・有井弘臣氏が立ち上げたお店。どちらか一方のジャンルに統一するのではなく、双方の技術を遺憾なく発揮されたことが、和洋折衷のお菓子やカフェスイーツの起源となっています。
鎌倉紅谷さんには、2020年まで販売されておりましたが、諸般の事情より惜しまれつつも製造終了となってしまったお饅頭、「はちまんじゅう」があります。私もいただいたことがあるのですが、お土産でいただいたバターの風味が効いてくるみがのっているお饅頭で、普通に美味しかったなぁ…というおぼろげな記憶。
それがこのほど、創業70周年という節目を迎えデザインも一新して限定復活!今回は鎌倉紅谷さんの「はちまんじゅう」をご紹介。
開封した瞬間、頬が緩まないという方はいないのではないでしょうか。「ジャーン!」という音と共に飛び出してきてもおかしくはない、お馴染みリスくん。
職人さんが一つずつ配置を吟味しながら刻印するリスくんと、非常にキメが整ったキャラメル色の艶肌。また、取り出すと同時に鼻腔に飛び込んでくるのが芳醇なバターの香り。こちらはクルミッ子のクッキー生地をベースにしていらっしゃるとのこと。なるほど、しっとりとしたこし餡との一体感だけではなく、底面にほんのりサクッとした名残を感じられるのも納得です。
また、さらりとしたこし餡は北海道産小豆のみで仕上げられたこし餡。焼き菓子にありがちな口の中が甘さだけでいっぱいになってしまう、ということは皆無。焼き皮との親和性が非常に高いバランスとなっております。
また、底面には一粒の胡桃が。今までてっぺんに鎮座していたくるみは、心和むサプライズへと変化したのですね。自然な香ばしさと食感が大きさ以上の存在感を担っています。
なんとなく美味しい、普通においしい、というお菓子のストーリーや背景を知ったとき、多少なれど心に波紋が生じるかと思います。そから愛着が生まれたり、お気に入りの存在となるのではないでしょうか。
皆さんの中にそういった和菓子がどんどん増えていくような文章を綴りたいと身を引き締めつつ、パソコンの隣のはちまんじゅうを開封するおやつの時間を迎えられるよう、キーボードを叩きます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<鎌倉紅谷・八幡宮前本店>
公式サイト(外部リンク)
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-12-4
0467-22-3492
9時30分~17時
年中無休