オートバイのあれこれ『時代の異端児であり、ヤマハの異端児。』
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/title-1718033609606.jpeg?exp=10800)
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『時代の異端児であり、ヤマハの異端児。』をテーマにお話ししようと思います。
XZ400。
この車名を聞いて、すぐにピン!と来たバイクファンは決して多くないはずです。
1982年(昭和57年)、ヤマハは水冷Vツイン(V型2気筒)エンジンを搭載した『XZ400』をリリースしました。
![▲XZ400〈1982/画像引用元:ヤマハ発動機〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/image-1718033654913.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
82年というと、250ccクラスでは2ストモデル、400ccクラスでは並列4気筒モデルがそれぞれ人気を博していた頃。
当のヤマハも『RZ250/250R』や『XJ400』を展開してこのトレンドに乗っていたわけですが、その一方、こうした流行りのカタチではないXZも作っていたのです。
![▲XJ400〈1980/画像引用元:ヤマハ発動機〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/image-1718033709371.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
流行にそぐわない作りで仕立てられていたXZは、案の定大きな人気を得ることはできませんでした。
ただ、そういう異端的なバイクなだけあって、個性は抜群だったといえます。
やはり最大の見どころが、先ほども触れたとおり、Vツインエンジンを搭載していたこと。
『ビラーゴ』や『ドラッグスター』等、クルーザー(アメリカン)モデルではいくつか例がありますが、スポーツ系モデルで4ストVツインエンジンを採用していたヤマハ車はほとんどありません。
(というか、4スト水冷Vツインのヤマハ製市販スポーツモデルはXZだけかもしれない…)
![▲トレンド的にもマイナーだったが、ヤマハ車としてもマイナーな作りだった](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/image-1718033917899.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
また、ドライブトレインがメジャーなチェーン式ではなく、シャフトドライブ式だったことも斬新でした。
当時(も現在も)、オートバイの世界でシャフトドライブというのはかなり少数派。
せいぜい、海外向けの大型モデルに使われるくらいのものでしたが、ヤマハは日本向けの400ccクラスにこのシャフトドライブを導入したのです。
![▲YSP限定のツートーンカラーも用意された〈1982/画像引用元:ヤマハ発動機〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/image-1718033986528.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
《水冷Vツインエンジン+シャフト駆動》という特徴だけで充分オリジナリティを発揮していたXZですが、そのポリゴンチックな佇まいも当時としては独創的で、どこか近未来的なオーラを醸し出していました。
Vツインエンジンに由来するスリムな車体、シャフトドライブによるスムーズな加速感はXZならではの魅力だったものの、やはり当時は性能優先の2ストだったり4気筒が人気の的だったこともあり、XZは世の関心を集めることができず、結局マイナーな存在のまま消えてしまったのでした。
![▲大型カウルを装備するD仕様(XZ400D)も追加で登場〈1982/画像引用元:ヤマハ発動機〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01798395/image-1718034058601.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)