大学選手権2連覇を目指す早稲田大学ラグビー部は12月6日、東京・秩父宮ラグビー場で加盟する関東大学対抗戦Aの最終節に臨んだ。

　伝統の早明戦とも呼ばれる明治大学との一戦は、14－34で敗れている。自軍ラインアウトの獲得に苦しみ、明治大学の圧力に押された。対抗戦での全勝優勝が叶わなかった。

　前年度は早明戦で屈しながら、選手権決勝で同カードを制している。今季も巻き返しが期待されるが、当事者は何を思うか。

　試合後、相良南海夫監督、ナンバーエイトの丸尾崇真キャプテン、ウイングの古賀由教が会見した。

　以下、共同取材時の一問一答の一部（編集箇所あり）。

相良

「対抗戦最終戦、伝統の早明戦ということで、多くのお客さんのなか、コロナ禍のなか、無事にこの試合を迎えられたこと、良かったと思います。我々も対抗戦での13年ぶりの全勝優勝がかかっていたのですが、残念ながら明治の力が上回っていて、こちらはスコアで上回れなかった。残念だと思っていますが、きょう学んだことを受け、課題を克服してこれからの大学選手権に臨みたいと思います」

丸尾

「コロナ禍のなか伝統の早明戦を迎えられた。嬉しく思います。明治に負けて、本当に悔しい気持ちがあります。これを糧にして1日1日を大事に積み重ねて、最後、大学選手権優勝に向けて頑張りたいです」

古賀

「このような状況で試合ができたことに感謝するとともに、たくさんの方にふがいない試合を見せてしまったことが悔しいです。30数日間で修正し、選手権決勝で明治にリベンジできるよう1歩1歩進んでいきたいです」

――ラインアウトでは自軍ボールが確保できなかった。相手に対策されたのか。

丸尾

「そうですね、プレッシャーがかかってはいました」

――他に、失敗の理由はあるのか。

丸尾

「マイボール、きょうに関しては明治のプレッシャーというより自分たちの細かいエラーが起きていたのが理由。（それが出た理由は）試合中にわかっていたので、修正したいです」

――スクラムでも劣勢だった。

丸尾

「重い、強い、スクラムを組まれ、早稲田のやりたいスクラムを組めなかったのが押された原因かなと思います」

――7－21で迎えたハーフタイムの指示は。

相良

「セットプレーをはじめ、自分たちのミスで流れを引き寄せられないところがあった。ビッグゲームにおいてはミスが起きることは想定したなか、練習してきたつもりだった。『ディフェンスで取り返せばいいじゃないか。2トライ2ゴール差。1個、1個、返していけばいいから。終わった時にどうなっているかを信じてやりきれ』と」

――選手交代について。伊藤大祐（祐は示に右）選手の出場したタイミングについて。

相良

「何分から伊藤…という風には考えていない。ゲームの流れによってということです（後半10分に出血による一時後退で登場し、そのまま最後までピッチに立った）」

――明治大学で想定以上だった点は。

丸尾

「うーん、まずは接点の部分、スクラム。ここは想定以上だったと思います」

――活躍した明治大学の箸本龍雅キャプテンについて。古賀選手にとっては東福岡高校時代の同級生だが。

古賀

「彼は本当、すごい努力家で強いことはわかっているんですが、ラグビーは15人でやるもの。全員で前に出て、前に倒す。もしリベンジできるのならそこを意識したいです」

丸尾

「やはり彼を前に出した結果、明治が勢いづいた。もし、再戦があるとするなら、一歩も前に出させない。そういう強い意志を持って臨みたいです」

――「立ち返るべきはディフェンス」と常々言っていた。ディフェンスで修正すべき点は。

丸尾

「2人目の寄りの速さと強さで、接点を前に返せなかった。あとは早くセットしてこっちから仕掛けるということができていなかった。そこを修正したいと思います」

――大学選手権に向けて、どうしていきたいか。

丸尾

「1日1日、全て出し切り、積み上げ、積み重ね続けるしかない。1秒1秒、大事にしたいです」

――去年は早明戦で負けたが、大学選手権決勝でリベンジしている。

相良

「同じストーリーがあるとは思いませんが、きょうは自分たちのミスが流れを切ってしまったところがあると思うので――常日頃言っています――今後、1日1日、試合を想定して精度を突き詰めて練習していきたいです」