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明日起こるかも!?突然地球を崩壊させ得るシナリオ3選

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「突然地球を消滅させ得る宇宙からの脅威3選」というテーマで動画をお送りしていきます。

地球や太陽系は、今から46億年前に誕生し、現在に至ると考えられています。

なので少なくともその期間はこれらの構造が消滅することなく存続してきたことがわかります。

ですが最近の宇宙論では、明日突然地球を丸ごと消滅させるような現象が宇宙からやってくる可能性も、限りなく低いものの0ではないと考えられています。

今回はそんな宇宙から迫る壊滅的な現象を3つ紹介していきます。

●原始ブラックホールの接近

Credit: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko
Credit: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko

現在知られているブラックホールの形成メカニズムは、星の死と密接に関係しています。

太陽の質量の8倍以上の質量を持つ大質量星は、その一生の最期に超新星爆発という宇宙最強レベルの爆発現象を起こし、派手に散ります。

星の末期段階では、恒星の内部で起きている核融合反応による外側に膨張していく力が、恒星の内側に落ちていく重力に対抗できなくなり、ものすごい勢いで恒星の核が圧縮されてしまいます。

その結果、太陽の8-30倍程度の質量を持つ恒星だと中心部に中性子星という超高密度天体が残り、それ以上重い恒星だと中性子星すらも圧縮され、ブラックホールになると考えられています。

ブラックホールは光を放ちませんが、この過程でできる一般的なブラックホールは、最低でも太陽の3倍程度の質量を持つと考えられているため、これだけ重い天体が地球に接近すれば、他の惑星の軌道のずれなどで、接近を予知できるでしょう。

Credit:NASA_s-Goddard-Space-Flight-CenterCI-Lab
Credit:NASA_s-Goddard-Space-Flight-CenterCI-Lab

ですがこの宇宙には、「原始ブラックホール」という、星の死ではなく、宇宙の初期のインフレーションの際に形成された、全く形成メカニズムの異なるブラックホールも存在している可能性があるとされています。

原始ブラックホールの場合はさらに低質量で小さいものも存在している可能性があり、そのような小柄な原始ブラックホールが地球に接近しても、直前まで気付けない可能性がありそうです。

万一地球に原始ブラックホールが衝突すれば、その重力で人類滅亡どころか地球ごと砕かれ、最終的には飲み込まれることになるでしょう。

●ストレンジレットの接近

中性子星の中心部付近には、「ストレンジレット」という物質が存在する可能性があるそうです。

あらゆる物質は拡大すると原子という構造が見えてきて、その中心部には陽子と中性子から成る「原子核」があります。

ですが陽子や中性子もクォークというさらに小さい粒子が3つ合わさって形成されています。

ストレンジレットは、中性子のようなクォークが3つ合わさってできた構造すらも超高圧によって維持できなくなり、クォークが自由に動き回る状態にある物質です。

陽子や中性子など、通常の物質を構成するクォークはアップクォークとダウンクォークのみですが、ストレンジレットの場合、ストレンジクォークというクォークも構成要素として存在しているようです。

アップクォーク、ダウンクォーク、ストレンジクォークがほぼ同数集まって構成されるストレンジレットは、なんと通常の陽子や中性子よりも安定している可能性があるそうです!

そのため一度中性子星の中心部領域の極限環境により、高いエネルギー障壁を超え、ハイペロンの状態も抜けてストレンジレットになった物質は、中性子星内部以外の場所でも安定して存在できる可能性があります。

もしこの仮説が正しければ、中性子星内部にあるストレンジレットが中性子星同士の衝突やブラックホールによる破壊によって外部に漏れ、宇宙空間にも存在している可能性があるのです。

さらにストレンジレットは、より大きいほど安定しているという可能性もあるようです。

その場合、触れた通常の物質をどんどんストレンジレットに変化させ、より大きいストレンジレットになろうとすると考えられます。

そんな性質を持ったストレンジレットが宇宙を旅し、偶然にも地球にたどり着いた瞬間、地球上の全物質がストレンジ物質の塊に変化してしまうことになります!

●真空崩壊

素粒子物理学では、「真空」をエネルギーが最も小さい状態と定義します。

自然界ではエネルギーが低い方が安定なので、この宇宙の真空もエネルギーが最も低い状態で安定しているはずです。

しかしもしかすると、私たちの宇宙の真空は極小のエネルギーをもつ状態「偽の真空」であり、最低エネルギー状態「真の真空」ではないかも知れません。

Credit:Maximilien Brice/Julien Ordan/CERN
Credit:Maximilien Brice/Julien Ordan/CERN

2012年、世界最大の加速器「LHC」を使った実験で質量の起源に関わる素粒子「ヒッグス粒子」が発見されました。

ヒッグス粒子が作るヒッグス場をつぶさに調べると、私たちの真空は「偽の真空」である可能性があるようです。

もし、私たちの宇宙の真空が偽の真空だとすると、いずれ真空崩壊が起こり、真の真空へと移行します。

真空崩壊は真空の「相転移」ともいわれます。

相転移というのは、身近な例で例えると水が液体から固体へ変化するように物質の状態が変化することです。

真空崩壊の場合、真空の温度は非常に低いので、量子力学的な揺らぎによって発生します。

真の真空の核ができると、周りの空間を巻き込んで光のスピードで広がっていきます。

真空崩壊が発生すると、物質を構成する原子は素粒子レベルまで分解されます。

そして、宇宙の構造は全て無くなってしまいます。

恒星や銀河、星雲など形あるものは全て破壊されるのです。

そして、真の真空の領域は異なる物理法則が支配する別の宇宙になるのです。

例えば空間の次元の数が3次元ではないかも知れませんし、電磁気力や重力のような力が働かないかもしれません。

そのような世界では私たちの宇宙での物質は存在できませんし、人間のような生命は存在できないでしょう。

●まとめ

最初にも述べた通り、この地球が46億年もの間無事に存在していることからも、今回紹介した原始ブラックホールの襲来、ストレンジレットの襲来、真空崩壊のどれもが極めて低い確率でしか起きないことは間違いないです。

そのため私たちがそれらの現象を不安視する必要性は皆無に等しいですが、このような現象が起こる可能性が決して0ではないというだけで、宇宙が人知を超えた壮大な場所であることがわかりますね。

また、今回紹介したストレンジレットと真空崩壊については以下の動画でより詳細に解説しているので、興味がある方は併せてご覧ください!

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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