横濱ビーフと共に和牛をめぐる冒険、横浜より
和牛とは
和牛というと何を思い浮かべますか。いえ、そもそも、和牛とは何かご存知でしょうか。
和牛とは以下の4種類の牛を指します。
- 黒毛和種
- 褐赤和種
- 日本短角和種
- 無角和種
日本に流通している和牛のほとんどは黒毛和種です。また国産牛はあくまでも日本で飼育されたというだけなので、和牛とは限りません。
和牛のブランド
黒毛和種とひと括りにしましたが、実に様々なブランドがあり、飼育方法が異っていたり、肉質等級(A5、A4など)が違っていたり、味や風味に個性があったりと、それぞれ全く別の牛肉であると考えてよい程です。
では、どういったブランドがあるのでしょうか。三大和牛とも四大和牛とも呼ばれているブランド和牛はこちらです。
- 松坂牛
- 神戸ビーフ
- 近江牛
- 米沢牛
上記のブランド和牛はどれもご存じではないでしょうか。以下の通り、ブランド和牛はまだまだありますが、全てをここに載せきれるものではありません。
- 十勝和牛
- 前沢牛
- 仙台牛
- 前沢牛
- 福島牛
- とちぎ和牛
- 常陸牛
- かずさ和牛
- 飛騨牛
- 信州牛
- 但馬牛
- 広島牛
- 宮崎牛
- オリーブ牛
- 佐賀牛
- 石垣牛
このブランド和牛の中で、みなさんはどれくらい食べたことがあるでしょうか。
鉄板焼レストランは、生産者とのコネクションを築くのが大変であったり、特定のブランド和牛へのこだわりがあったりすることから、いくつかの固定されたブランド和牛だけを取り扱うことが多いです。しかし、2ヶ月毎に取り扱うブランド和牛を替えている鉄板焼レストランがあります。
それは横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ最上階28階にある「さがみ」です。
和牛を食べ比べていただきたい
広報マネージャー 大川真実氏は「鉄板焼の主役は牛肉で、牛によって味や風味が全く異なる。さがみにいらっしゃれば日本全国の様々な和牛を楽しんでいただけるようにと、2003年頃から『シェフ厳選ディナー 極上和牛コース』を始めた」と和牛めぐりに至った経緯を述べます。
「ご提供する和牛が替わったら、また訪れて食べ比べしていただきたい。2014年12月は茨城県の常陸牛を召し上がっていただける」と楽しみ方を紹介します。
希少な横濱ビーフも
メジャーなブランド牛ばかりであるかと訊くと「有名なブランドばかりではなく、あまり知られていないブランドも探している。10月にはとても数が少なくて希少な横濱ビーフを提供した」と答えます。
続けて「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ16周年を記念して、2014年10月に『横浜ベイシェラトン誕生祭~ありがとう かながわ~』フェアを開催した。この一環で、2014年9月と10月に横濱ビーフをご提供することになった」と振り返ります。
横濱ビーフについて尋ねると、料理長 中村政人氏は「九州の和牛を素牛として戸塚区で育てた、数が少ない希少な和牛。もっとたくさんご提供したいが入手が極めて難しい」と説明します。
横濱ビーフへのこだわり
大川氏は「地元のお客さまを特に大切にしたいと考えており、地産地消を大切にしている。そのため、『かながわブランド認定』の横濱ビーフをご用意することにした。野菜なども積極的に横浜や神奈川県のものを使っている」と話します。
中村氏は「もちろん、肉質もよい。横濱ビーフとなることができるのは肉質等級が4か5のものだけ。おからを混ぜた特別の飼料を食べており、牛が好む味なので成育もよい」と補足します。
肉質等級は1から5の5段階あり、5が最も脂の差し具合がよいので、4以上であれば霜降りであると言ってよいでしょう。
熟成させてよりおいしく
アシスタントシェフ 江口誠亮氏は「横濱ビーフをより長い期間おいしく食べていただきたいので、熟成してご提供している」としながらも、「本来の風味も楽しんでいただけるように、通常は4週間のところを3週間と短めに熟成させている。熟成させることによって、より柔らかくなる。ナッツやチーズのような熟成香も加わり、さらにおいしく召し上がっていただける」と自信を持ちます。
また「横浜には熟成肉を扱った店が少ない。横浜の方にも熟成肉の素晴らしさを味わっていただけたら嬉しい」と力を込めます。
さがみの<シェフ厳選ディナー 極上和牛コース>の一部をご紹介しましょう。
先付
シチューの赤ワイン煮をココットで提供しています。鉄板で温めた出来立ての一品です。
ダルトア風スープ
本日のスープ、もしくは、ダルトア風スープを選べます。
ダルトア風スープは南フランスの家庭料理。フォンドヴォーの澄んだスープに、辛味が加わってスパイシーです。タマネギやソーセージが入れられています。
焼き野菜盛り合わせ
タレはポン酢、にんにく醤油、柚子胡椒、岩塩。石川県産バナナピーマン、パープルスイートの紫芋、ナス、秋田県産の白アワビ茸(エリンギ)、神奈川県産バターナッツと、珍しい野菜も取り揃えています。
横濱ビーフ
3週間ドライエージングした浅めの熟成牛です。脂はのっていますが、熟成していてナッツやチーズのような香りが広がるので、コク深く重たく感じられません。
御飯・味噌椀・香の物
御飯ガーリックライスか梅ピラフを選べます。梅ピラフは鰹節、練り梅、カリカリ梅を使い、塩・胡椒は使わずシンプルに。ガーリックライスにはクレープ状に引き伸ばしたさがみオリジナルのおこげを載せます。
デザート
転卓して、デザートをいただけます。ドラゴンフルーツ、メロン、柿、クレームダンジュ、フワンボワーズシャーベット、ブラックベリーを盛り合わせたアシェットデセールです。紅茶はダージリン。
横浜発祥
横浜と言えば、ナポリタンやアイスクリームなど発祥とされる食べ物がいくつかあり、牛鍋もそのうちの一つで、幕末における1859年の横浜港開港を機に発展してきました。牛鍋はすき焼きと似ていますが、すき焼きは牛脂をとかして肉を焼くのに対して、牛鍋は肉を割り下で煮込みます。
文明開花や牛肉文化の象徴とされている横浜で、横浜港開港から140年もの時を越えて1998年にオープンし、地元の横濱ビーフはもちろん日本全国の和牛の魅力を伝える横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズの次なる和牛に注目してみましょう。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
さがみについてはレストラン図鑑にも詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。