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大金星は?元ホークス城所氏らがJ1鳥栖とPK戦でガチンコ対決!

田尻耕太郎スポーツライター
シュートを放つ城所氏

 元ホークス戦士がJのピッチに立った。

 そして元Jリーガーと対決だ。しかも無謀なことに、サッカーで勝敗を決するという。ホークスOB対サガン鳥栖OBのガチンコPK合戦だ。

 5月22日、佐賀県鳥栖市の駅前不動産スタジアムで行われた「JリーグYBCルヴァンカップ」グループステージ第6節のサガン鳥栖vsFC東京は、【サガン鳥栖×福岡ソフトバンクホークス スポーツキッズデー2019】として開催された。5年前から両チームは「より多くの子どもたちに、スポーツの持つ楽しさ、面白さ、感動を味わってもらいたい」との共通理念から手を取り合った企画を行っており、この日もその一環でPKイベントが実現した。このガチンコ対決は初の試みだ。

 ホークスからは昨季まで現役だった城所龍磨氏、速球王として名を馳せた新垣渚氏、主に先発で活躍し通算90勝を挙げた帆足和幸氏が参戦した。

 一方の“胸を貸す”サガン鳥栖OBは室拓哉氏、日高拓磨氏、森恵佑氏の3名だ。

Jリーガーかプロ野球で迷った

 ホークス期待の星は城所氏だ。野球に夢中になるまでは、じつはサッカー少年だった。運動神経バツグンで「プロ野球選手かJリーガーを目指すか本気で迷った」というほど。小学校2年生の頃には、6年生もいるチームの中でレギュラーを獲得していた。

「ポジションはフォワード。ツートップの一角で点取り屋でした」

所属のチームのコーチも「オマエをJリーグに入れる」と後押ししていたという。

「愛知県なので名古屋グランパスエイトがありましたが、(故郷)豊川市は静岡県に近い場所だったので僕はジュビロ磐田が大好きでした。特に“ゴン中山”(中山雅史)の大ファン。『俺はゴンになるんだ』って本気で思っていましたからね(笑)」

 以前にインタビューをした時に、嬉しそうに話していたのを覚えている。

 3対3のPK合戦では全員がキッカーを務め、城所氏はゴールキーパーも買って出た。

 ホークスは1人目の帆足氏が止められた後、2人目に城所氏が登場。右足を一閃するとボールはゴールの左隅に豪快に吸い込まれた。思わず歓喜のガッツポーズだ。

「気持ちよかったです。Jリーグのピッチでボールを蹴るのはもちろん初めてですから」

禁じ手連発も・・・大金星に値するドロー

新垣氏は笑いを取りながらも本気でゴール!
新垣氏は笑いを取りながらも本気でゴール!

 ただ、キーパー役では大苦戦。野球の豪速球で動体視力は鍛えられているはずだが、“ホンモノ”のシュートにはまるで反応できなかった。「きっちりコースに決められたら動けなかったです(笑)」。

 1対2で迎えたラスト3人目。先攻ホークスは新垣氏がシュートを放とうとするも靴が脱げるアクシデント(?・新垣氏本人は「スタンドまで靴を飛ばすつもりだったのに。不完全燃焼です!」と猛省)。ただ、慌てずに左足でゴールに流し込み2対2と追いついた。

 するとホークスは禁じ手のゴールキーパー3人体制(帆足氏、城所氏、ハリーホーク)で臨み、見事に帆足氏が左足でシュートをブロック。何とか引き分けに持ち込んだ。勝利を手にすることは出来なかったが、大金星に値する大健闘。スタンドからは拍手喝さいが沸き起こり、コラボイベントとしても大成功だった。

健闘を讃えあった両チームOB
健闘を讃えあった両チームOB

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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