南米コロンビア、「深夜の土砂崩れ」で250名以上死亡
「コロンビアで氾濫・土砂崩れ、死者250人超す」([:http://www.asahi.com/articles/ASK424W7RK42UHBI008.html| 朝日新聞デジタル])
南米コロンビア南西部のプトゥマヨ県で3月31日夜、大雨による川の氾濫(はんらん)と土砂崩れが起きた。報道によると、少なくとも254人が死亡し、200人が行方不明になった。けが人も400人に上っており、サントス大統領は1日、災害緊急事態を宣言。軍や警察が現場で救助と捜索にあたっている。
雨季の始まり
この映像は、被害のあったモコアの土砂災害の様子です。川が氾濫し、住宅地が一面土砂に覆われている悲惨な光景がとらえられています。
そもそもコロンビアは、山がちな地形、大雨、簡素な家の造りといった点から、しばしば土砂災害が発生します。特にそのリスクが高いのが今頃といえるのですが、それはコロンビアが赤道付近に位置するため、ちょうど春分の頃に太陽が真上に位置し、対流活動が活発になって、雨が多くなるためです。
当局によると、31日(金)深夜から1日(土)未明にかけて、この時期の月降水量の3分の1にあたる130ミリの雨が一気に降ったといいます。
ペルーの洪水
なぜこれほどの雨が降ったのでしょうか。
実はコロンビアのお隣の国、ペルーでもまた、去年末から記録的な雨が降り続き、20年来とも言われる最悪の洪水が発生しています。昨年12月からのこれまでの死者は100人近くに及び、70万人が家を失ったとも報道されているのです。
海水温の異常
その大雨の原因とされるのが、ペルー沖の海水の異常高温です。図は3月31日の海水温の平年差を表していますが、平年よりもなんと5℃近くも高いことがわかります。暖かな海水によって、ペルーやコロンビアといった沿岸の地域に大量の水蒸気が補給されて、雨が多くなっていると考えられるのです。
こうした変化を受け、コロンビア気象局(IDEAM)は「4月は記録的に雨の多い月になる恐れがある」と、先月から最大レベルの警報を発令し、警戒を呼びかけていました。