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ふんわり薫る獺祭の酒粕「升々」のしっとり艶々の皮とこし餡は、冷やしても温めても止まらない定番の味

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

バレンタインは、チョコレートをいつもに増して召し上がったという方いらっしゃるのではないでしょうか?かくいう私も、友チョコや自分へのご褒美という理由をつけて毎日のようになにかしらをいただいておりました。芸術品といいますか、ショーケースや箱の中は美術館のようですね!

そんなところで、そろそろ恋しくなってきたのではないでしょうか?シンプルな和菓子が。和菓子の醍醐味のひとつでもある、ホッとするような甘味、優しさ、じんわりと体に染みていくようなあんこの旨味…とはいえ、沢山チョコレートを食べてしまったらやっぱり気になりますよね、ダイエットしなきゃ!と。

升々
升々

今回は山口県に店舗を構えるお店「里の味みかわ」さん、もしくはオンラインストアでお取り扱いのある創業70年以上の和菓子屋「三木屋」さんの「升々」をご紹介。

湿潤な生地
湿潤な生地

升々は一口サイズの酒粕饅頭。生地に酒粕を練り込んでいるのですが、日本を代表する銘酒と評される「獺祭」の酒粕を使用。飲んだことないけれど、なんとなく名前を聞いたことがあるという方も多いであろう日本酒かと思います。

「獺祭」という文字に惹かれてついつい
「獺祭」という文字に惹かれてついつい

ある程度お日保ちがするお饅頭でありながら、しっとり、といいますか、じゅわりというほど湿潤な艶肌に驚き。ほんのり青みを帯びた白磁の美肌さんですね。開封した時点で日本酒の芳香がふわり。半分に割ると、しゅわしゅわっと声を上げながら徐々に姿を現すこし餡。こちらのこし餡もやや薄い臙脂色で、色調のトーンも全体的にまとまりがあります。

しっとりとしたこし餡は皮との一体感が絶妙
しっとりとしたこし餡は皮との一体感が絶妙

ぱくり、と一口で食べてしまいたいところをぐっとこらえて半分。スンと鼻に抜けていく麹の甘い香り、そして同じ甘味でもすっきりとしたこし餡の甘味にホッと一息。さほどくどいと思わないのは、後から駆け抜けていく獺祭の爽快感と申しますか、キレのある涼香。あぁこれこれ、と日本酒が好きな私は思わず頷いてしまうのです。

冷蔵庫で冷やしてからいただくと、皮とこし餡はきゅっと引き締まり獺祭の香りが増し、ふんわりラップに包んで500wで10秒程温めると、甘酒のようなかおりととろりとした口溶けに。

手に取りやすい個数なのも嬉しいですね
手に取りやすい個数なのも嬉しいですね

ふかしたてのお饅頭は、和菓子屋さんしか食べられません。しかし、ほんのひと手間加えることで新しい一面に出会うことができるのです。冷やして、常温で、温めてと、小さなお饅頭ではりますがお好みの楽しみ方でぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<里の味みかわ・西岩口店>
公式サイト(外部リンク)
山口県岩国市岩国2丁目16-2
0827-43-4773
9時~18時
定休日 日・祝日

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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