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「あまり勝率についても意識しているわけではない」藤井聡太竜王(19)5年度連続で勝率8割以上確定!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2021年度も大活躍した藤井聡太竜王(19歳)。3月9日のB級1組順位戦では佐々木勇気七段に勝ち、A級昇級も決めました。

 藤井竜王は今年度の対局をすべて終えました。成績は52勝12敗(勝率0.813)です。

 藤井竜王はデビュー以来5年度連続で8割以上という偉業を達成しました。

 藤井竜王は記者会見で次のように語っています。

藤井「今年度はタイトル戦の番勝負の対局を多く経験することができて。その中でいろいろ得るものもありましたし、結果も出すことができたので、その点はよかったのかなというふうに思っています。ただ、他棋戦も含めて全体として見ると、結果、内容ともにちょっと安定していないところがあったので、もっと一局一局の精度を高めていけるように取り組んでいきたいと思います。(今年度も8割以上が確定したが)あまり勝率についても意識しているわけではないんですけど。四段の頃に比べるとトップの方との対戦がかなり増えているので、そういう点では充実感はあります」

 勝率8割超えは大変な記録です。トップクラスの棋士でも生涯1度、達成できるかどうか。過去に複数回達成できた棋士は中原誠16世名人(1966、67年度)、羽生善治九段(1987、88、95年度)の2人しかいません。

 例年であれば、勝率8割を超えるとダントツで勝率1位となります。しかし今年度は現在、伊藤匠四段(43勝9敗、勝率0.827)がトップに立っています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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