パンケーキはどこまで進化していくのか?
勢いがとまらぬパンケーキ
「【パンケーキの日】パンケーキは日本の国民食となれるのか?」でご紹介したように、パンケーキが流行していることはみなさんもご存知のことだと思います。
この記事が公開されてからまだ5ヶ月しか経っていませんが、パンケーキをメインとする店がいくつもオープンしたり、新たにパンケーキをメニューの看板に据える店が増えたりしています。
- カトーズ ダイニング&バー(2014/04から提供、ホテルニューオータニ)
- モエナカフェ(2014/06/23オープン、表参道)
- コアパンケーキハウス(2014/07/06オープン、渋谷)
- ルサ ルカ(2014/07/22オープン、自由が丘)
- エッグスンシングス(2014/07/26オープン、台場)
バラエティに富むパンケーキ
今ではパンケーキの種類も、以下の通り、バラエティに富むようになりました。
- 日本風の分厚いホットケーキ
- 帝国ホテルに代表される小さい銀貨パンケーキ
- プレゼンテーションが派手でモチモチしたハワイ風パンケーキ
- リコッタチーズ入りパンケーキ
- 歯応えのあるイギリスのクランペット
- クレープ状になったドイツのダッチベイビー
- 一口サイズにカットしたオーストラリアのカイザーシュマーレン
これだけのパンケーキが東京で食べられるというのは、まさに驚きであると言えるでしょう。もう様々なタイプのパンケーキが出尽くしたかと思いましたが、実はまた新たなパンケーキが現れたのです。それも「進化系パンケーキ」と謳われているだけあり、従来のパンケーキとは違ったものとなっています。
スイーツにも注力するグランド ハイアット 東京
進化系パンケーキを提供しているのは、「ラグジュアリーホテル「グランド ハイアット 東京」は何故フリーフローに力を入れるのか?」でもご紹介したグランド ハイアット 東京の「イタリアンカフェ フィオレンティーナ」です。
グランド ハイアット 東京はフリーフロー以外にも、夏のシーズンだけで8種類ものベリーヌ(新作は6種類)を発売したり、高級食材の代名詞であるツバメの巣を使った「石垣島天然マンゴー添え羽衣ミルクかき氷」を開発したりと、スイーツにも力を入れています。
フィオレンティーナで通年を通して提供されているスイーツとしては、常に3種類用意されているジェラートが有名でしょう。2014年8月からはこの通年メニューにパンケーキも加わることになりました。
フィオレンティーナらしいパンケーキ
マーケティング コミュニケーションズ アシスタント マネージャー 藤井三喜氏は「パンケーキはまだ世間で注目されており、お客さまからのご要望も多い。グランド ハイアット 東京としては、パンケーキをご提供して、お客さまのご要望にお応えしたかった」ときっかけを述べます。
ペストリーシェフ レストラン担当 金子浩氏は「普通のパンケーキをご提供するだけではつまらない。イタリアンカフェであるフィレンティーナならではの特色を表現し、お客さまに満足していただきたかった」と意気込みを語り、「イタリア風パンケーキを提供しているところは少ないので、アイデアを練って試行錯誤した」と振り返ります。
試行錯誤する過程で「個性を出すことは大切。しかし、様々なお客さまがいらっしゃるので、従来のパンケーキのイメージを崩したり、奇抜過ぎたりしないように心掛けた」と、バランス感に気を付けたとします。
ピザ窯やオリーブオイルで一工夫を
食味に関しては、「生地には、リコッタチーズだけではなく、オリーブオイルを加えたので、一般的なパンケーキよりも香りが豊か」と、定番となったリコッタチーズ入りパンケーキに一工夫施したと説明し、「バニラビーンズと天然のバニラオイルをふんだんに使っているので、生地だけでも十分においしく食べられる」と自信を覗かせます。
食感に関しては「パンケーキを火力の強いピザ窯で焼いているので、2分でさっと焼き上がる。時間をかけていないので水分が飛ばず、しっとりと仕上がる。口当たりがとてもいい」と、ピザ窯でパンケーキを焼く意味を挙げる一方で、「ピザ窯は火力が強くてすぐに焼けるので、焼き具合の匙加減に熟練を要する」と難しさも挙げます。
楽しむスタイルも提案
小さいパンケーキがいくつもあることに関しては「ベリーソース、メープルシロップ、ハチミツの3種類のソースに加えて、ピスタチオ、マスカルポーネ、チョコレートの3種類のクリームをご提供している。色々な味を楽しんでいただくため、大きなパンケーキを1つではなく、小さなパンケーキをいくつもご用意した。みなさまでシェアし易い」と、楽しむスタイルについても考えたとします。
こだわりのピスタチオクリーム
他のこだわりを尋ねると、「イタリアといえばピスタチオのイメージが強いので、ピスタチオクリームにはこだわった」と話し始め、「ピスタチオクリームはローストしたピスタチオとローストしていないフレッシュなピスタチオをミックスしている。ローストしたピスタチオは香りが強くなるが、色合いは美しくなくなってしまう。そのため、ローストしていないピスタチオも合わせて、見た目もきれいに仕上げた」と、クリーム一つをとっても手間隙かけていると答えます。
進化し続ける
一点の曇りもない完成されたパンケーキに思えますが、藤井氏は「パンケーキをさらに美しく見せたかったので、クリームを載せる器を変えた」と、プレゼンテーションの変更を明かします。8月から提供を始めたばかりなので、とても迅速な改善であると言えるでしょう。
金子氏は「まだまだ手探りなので、お客さまのご意見を引き続き伺っていきたい」と殊勝に述べ、「通年でご提供するのでシーズン毎に変えていく。秋には栗、リンゴ、洋梨、キャラメルを使った新しいパンケーキになる。進化し続けることが重要」と意気込みをみせます。
グランド ハイアット 東京のペストリーといえば、シェフの後藤順一氏による指導のもと、世界の製菓大会で優勝・受賞を果たしたパティシエを輩出しています。そのペストリーがレストランのデザートまで全てを手掛けており、もともと注目されていましたが、進化系パンケーキによってさらに注目されていくはずです。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
フィオレンティーナの詳細はレストラン図鑑、フィオレンティーナ パンケーキの詳細はスイーツ図鑑でもご紹介していますので、ご参考にどうぞ。