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主な新興国/米国経済ニュース(4月10日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ロシア中銀、民間部門の1-3月期資本流出額、前年比84%増の5.1兆円に

ロシア中央銀行は8日、今年1-3月期の銀行を含む民間部門のロシア国内からの資金流出額が速報値ベースで、前年同期比84%増の506億ドル(約5.1兆円)となったことを明らかにした。

これより先、ロシア経済発展貿易省のアンドレイ・クレパチ次官は3月25日に、旧ソ連・ウクライナのクリミア半島のロシア編入をめぐり欧米諸国との経済関係が悪化していることから、1-3月期の資金流出額は650億-700億ドル(約6.6兆-7.1兆円)と予想した上で、700億ドルになる可能性が高いとしていた。

それでも四半期ベースでは2008年10-12月期に記録された流出額1320億ドル(約13.4兆円)以来の高水準で、昨年1年間の資本流出額627億ドル(約6.4兆円)の約8割に相当する。

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インドネシア航空機RAI、仏ソフト会社とターボプロット機開発で合意

インドネシア航空機製造大手レジオ・アビアシ・インダストリ(RAI)のアグン・ヌグロホ社長は8日、ジャカルタで、フランスのソフト大手ダッソー・システムズと共同で、国内線や近距離地域を結ぶ小型ターボプロップ機「R80」の開発・製造を行うことで合意したことを明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が伝えた。

同社長によると、ダッソー・システムズが機体設計を担当し、RAIは機体のプラットフォームを製造するとしている。R80型機は客席数が80で、2017年に初飛行を予定している。同社は開発費用として10億ドル(約1020億円)を支出する。

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ポーランド中銀、政策金利を2.5%に据え置き―7-9月期末まで政策変えず

ポーランド中銀は9日の金融政策委員会(RPP)で、主要政策金利の7日物レファレンス金利を現行の過去最低水準の2.5%を維持することを決めた。また、中銀は他のロンバート金利と預金金利、再割引金利もそれぞれ4%、1%、2.75%のまま据え置いた。

7日物レファレンス金利は2012年11月の会合で3年5カ月ぶりに利下げに転換して以降、昨年7月の会合まで8回連続して引き下げ、下げ幅も合計で2.25%ポイントに達したが、それを最後に政策金利は変えていない。

中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、前回3月会合時と同様に、「緩やかな景気回復は今後四半期にわたって続く可能性が高く、インフレ圧力も引き続き抑制される見通しから政策金利を据え置いた」と並べている。また、「中銀は7-9月期末まで金利を据え置く」との文言も維持しており、今回もこの方針に従って、政策金利を据え置いている。

また、中銀のマレック・ベルカ総裁は会見で、中銀は少なくとも新しい四半期インフレ報告でマクロ経済の見通しを発表する7月までは、バイアス(金融政策に対する姿勢)もマクロ経済の見通しも変わらない、と述べている。

次回の金融政策決定会合は5月6-7日に開かれる予定。

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米NHTSA、点火スイッチ不具合のリコール問題で米GMに制裁金

米高速道路交通安全局(NHTSA)は、自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>が2005-2014年に生産した計13車種、約290万台の乗用車のエンジンを始動する点火スイッチに不具合が見つかり、リコール(無償回収・修理)を発表した問題で、GMはリコールに関するNHTSAからの107項目の質問状に対し、4月3日の期限までにすべて回答しなかったとして、2万8000ドル(約290万円)の制裁金を課すとともに、すべての質問に回答するまで1日当たり7000ドル(約71万円)の追加制裁金を課す方針を明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが8日に伝えた。

GMは点火スイッチの不具合が原因と見られる交通事故で13人が死亡したため、原因追究のための調査委員会を社内に設置し、委員長にシカゴの大手法律事務所ジェナー・アンド・ブロックのアントン・バルカス会長の起用を決めている。しかし、GMが当局に提出した文書によると、GMの一部の技術者は10年前からこのエンジン点火スイッチに問題があることを知っていたが、重大な安全上の問題があるという認識を持って適切に対処していなかったことが分かったため、NHTSAは現在、GMのリコールが迅速に行われたものかどうかについて調査を進めている。

これを受けて、同社の株価は9日、米東部時間午後2時26分時点で1.83%安の33.9ドルと、下落している。

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米アルコア、1-3月期赤字に転落も調整後利益予想上回り株価急伸

米アルミ大手アルコア<AA>が8日夕に発表した1-3月期(第1四半期)決算は、最終損益が1年前の1億4900万ドル(約150億円)の黒字から一転して1億7800万ドル(約180億円)の赤字となり、1株当たり損益(希薄化後)も13セントの黒字から16セントの赤字となったものの、コスト削減を狙ったブラジルや豪州、ニューヨークのアルミ精錬所の生産能力の削減と閉鎖による特別損失2億7600万ドル(約280億円)を除いた調整後の損益では9800万ドル(約100億円)の黒字、1株当たり損益も9セントの黒字となり、アナリスト予想の5セントを上回った。

売上高は前年比6.5%減の54億5000万ドル(約5560億円)となり、アナリスト予想の55億6000万ドル(約5670億円)を下回った。しかし、調整後の利益が予想を上回ったことから、同社の株価は8日の引け後の時間外取引で一時2.4%高となったほか、9日も米東部時間午後2時22分時点で3.67%高の12.99ドルと、急伸している。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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