【京都市/左京区】猫が住職のお寺だと!? 噂の「猫猫寺」には世界が注目する猫作家の作品がズラリ!
はらぺこライターの旅人間です。
約1200年の歴史を持つ京都に「不思議な猫寺がある」そんな噂を耳にしたことはありませんか?本堂には大日猫来、三種の猫器、そして住職も猫なんだとか…。
今回はちょっと怪しい?そんな謎の猫寺に行ってきました。
京都市街の中心地から北東へ、比叡山の麓に位置する大原三千院を目指して車を走らせていると、気になる名前のお寺が見えてきます。
そう、ここが噂のお寺 招喜猫宗総本山「猫猫寺」です。
ところで、日本各地には「猫寺」と呼ばれているトコロがあるのはご存知でしょうか?例えば、福井県の御誕生寺、東京都世田谷区の豪徳寺などは有名ですよね。
その由来は境内に猫が多くいたり、猫にまつわる由来や伝承など、いつしか人々によって「猫寺」と名付けられたものになります。
では、この猫猫寺は?
ちなみに、猫猫寺と書いて「にゃんにゃんじ」、寺紋は肉球です。入り口に貼られている「ツタンニャーメン展」の告知ポスターも妙に気になります。
気になる猫猫寺へ
さて、戸を開け、そして奥へ奥へと進んで本堂へ。すると、そこは想像をはるかに超える猫の世界が待っていました。
見上げると44人のアーティストから奉納されたという猫の天井画、ここはSNS映えすると京都で人気スポットの一つになっているという。
正面にはご本尊があり、その横には見事な襖絵、そして袈裟姿の大きな猫も…。まさか猫住職?と思えば、こちらは人形でした。
本物の猫住職は、もうすぐ来て下さるという。
猫猫寺の御本尊は、大日如来ではなく、「大日猫(にゃ)来」で、どこから眺めても目が合う22方睨みなのが特徴です。そして、大日猫来の右側には「猫不動」、左側には「猫観音」も祀られています。
ご本尊の横には「大日猫来 開眼供養 浄土宗 円乗院 福昌寺」とあります。つまり、大日猫来様は開眼供養されていますので、もちろん御霊は入っています。
猫猫寺、その響きだけを聞くと怪しさいっぱいに感じますが、その正体は「猫」をご本尊とした寺院型の猫アート美術館です。
猫不動様に…
猫観音様のお姿も。
更に、猫照大御神(ねこてらすおおみかみ)様、素戔猫尊(すさにゃるのみこと)様の二柱が御鎮座されています。
三種の猫器(さんしゅのにゃんぎ)もあり、上から「猫玉(にゃがたま)」「猫咫鏡(にゃたのかがみ)」「草猫劔(くさにゃぎのつるぎ)」となります。
やっぱり、ちょっと怪しいかも…?いえいえ、そんな事はありません。こちらも九頭竜大社の神主の祈祷を受けており、遊び心も合わさった霊験あらたかな本物です。
猫住職が来てくれました!
この猫猫寺の住職は猫ちゃんで、この日、来てくれたのは36(みろく)住職です。
猫住職は週末を中心に月に数回のお勤めに来てくれるのだとか。この猫猫寺では現在まで6代の猫住職が交代で活躍しています。通い見習い猫住職、また猫猫寺に住んでいる見習い住職もいます。
それ以外にも、お外には「出会えると福が来る」と言われている招き福猫ちゃんも…。
さて、36(みろく)住職は、おて 、 おかわり 、ハイタッチが出来る芸達者。
見ているだけで、時間を忘れてしまうほど可愛らしい。また、写真を撮らせてもらうと、しっかりポーズをとってくれます。
そして、神主の姿にもなってくれました。住職と神主の二刀流は世界的にも珍しいのではないでしょうか。とにかく、可愛らしい!
世界が注目する猫作家の作品
この「猫猫寺」は、築100年の古民家をリノベーションした猫アートの美術館、猫愛に溢れ、猫好きが全国、いや世界からやってくる知る人ぞ知る猫マニアの聖地のような場所。
また、あらゆる場所に猫作家・加悦雅乃(かやみやの)さんの作品が展示され、その魅力を生で感じられる贅沢感も魅力の一つです。
例えば、襖に22匹の”招き猫”が描かれた「日月22匹招き猫の図」は、目にする人を幸せな心地にさせてくれる超大作の一つと言えるでしょう。
加悦雅乃さんは、11歳の時に猫を「描く作家になる」と決心し、22歳まで11年間猫を描き続け、11年間で16点の作品が入選・受賞しています。
その中でも、17歳の時にフランス・パリの国際公募美術展「サロン・ドートンヌ展」で最年少入選し、世界から注目を集めました。
「サロン・ドートンヌ展」と言えば、あのピカソも出展し、日本人では藤田嗣治、東郷青児、ヒロ・ヤマガタ、など名立たる巨匠が登竜門として挑戦してきた美術展です。
それらの作品は、この猫猫寺で見る事が出来ます。
加悦雅乃さんの奥さん愛菜さんは夢色作家、お父さんの徹さんは神社仏閣を彩色する絵師、お母さんの順子さんは羊毛フェルト作家、まさに芸術家ファミリー。
そんなご家族が集まった時にお話を聞くと、大切にしているのは「不一致団結」という考え方だとか。それを象徴する作品があるという。
それは2017年に「にっぽん招き猫100人展 大賞作品の『招き猫建造祭』です。
それぞれ自由気ままに好きな事をしながら巨大な招き猫を建造している猫たちの姿、好き放題しながらも目指すところは一緒と言った感じでしょうか。自由に伸び伸びと、そして周囲に笑顔と幸せを与えるものを作り上げていく。まさに猫そのものです。
ちなみに、この作品はTV番組『マツコの知らない世界』でも紹介されています。
尚、展示されている作品は非売品もありますが、購入できる作品も沢山あります。例えば、この『猫だるま』は超人気。これは欲しくなりますよね!
加悦雅乃さん作品は将来、とんでもなく価値が出る可能性が高いとも言われていますので、今のうちにチェックしておくと良いのかも。
ところで「ツタンニャーメン展」ってナニ?
さて、猫猫寺の入口に貼られていた「ツタンニャーメン展」の案内…
あれは一体何だ?と感じている方にコッソリ教えると、実は猫猫寺の特別地下展示室で開催されている特別企画展になります。
新たに発見された“ニャー大陸”で考古学者・ニャンダカーダ氏が生涯をかけて発掘したものが展示されているのだとか。最大の見所は「ツタンニャーメンの黄金のマスク」ですが、「ミイラマスク」「壁画」「木棺」なども必見です。
尚、「ツタンニャーメン展」は好評に4月23日まで延長開催が決定し、5月1日からは「世界の猫名画展」が予定されています。
※詳細は下部に記載の公式サイトにてご確認下さい。
最後に…
京都にある謎の寺、その名も猫猫寺(にゃんにゃんじ)。なんだか怪しいと思って来たら、やっぱり怪しかった!そんな風に突っ込みたくなるのは、「大人が本気で遊んだらこうなる」と言った痛快な魅力なのかもしれません。
怪しいと笑いながらも「ちょっと待って、これマジで凄いかも」といったギャップがまた面白い。猫住職も可愛くて、可愛くて、たまりません。
癒しと感動、そして笑える、そして猫好きにはたまらない!素敵な場所です。
招喜猫宗総本山 猫猫寺 開運ミュージアム
住所:京都市左京区八瀬近衛町520
電話番号:075-746-2216
営業時間:11:00~17:00(土日祝18:00)
定休日:火曜日
公式ホームページ(外部リンク)
36(みろく)住職(外部リンク)
36(みろく)住職のTwitter(外部リンク)
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地図(外部リンク)
取材協力:猫猫寺、36住職