ノート(89) 今生の別れと二度目の職員面接
~回顧編(14)
勾留35日目
面会室へ
「広島からご家族が来てくれているから、早く用意して」
昼食後、ほどなくして面会担当の刑務官が迎えにやってきた。この日は父が病身を押して大阪までやって来るという話になっていたが、無事に着いたと分かり、まずはホッとした。どんな顔を見せればいいのだろうか、などと様々な思いが駆け巡ったが、腹を決め、自然体で臨むことにした。
2名の刑務官に挟まれて事務棟に移動し、面会室が並ぶフロアに降りると、刑務官にうながされ、その一室に入った。立会の刑務官が座って待っていたが、アクリル板の向こう側にはまだ誰もいなかった。
病魔
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