500万ヘクタールが焼失し、8千頭のコアラも犠牲に オーストラリア
年を越し、なおも山火事の被害が深刻化しているオーストラリア。その焼失面積が500万ヘクタール以上にも及んでいるようです。これは九州と四国を合わせた面積にほぼ相当し、昨年の南米アマゾンの森林火災のおよそ5倍に匹敵します。
これまでのところ23人が死亡、1,500軒以上の建物が焼けたと伝えられています。
動物への犠牲も甚大なものとなっています。ニューサウスウェールズ州のミッドノースコーストと呼ばれるエリアでは、その地域の全コアラの30%に当たる、8,000頭が焼死した可能性があるようです。
またシドニー大学によると、山火事により犠牲になった鳥、動物、爬虫類の総数は、オーストラリア全土で4億8,000万にも及ぶ恐れがあるとのことです。想像を絶する数に、ただただ胸が痛む思いです。
山火事の影響は大都市にも及んで、首都キャンベラの大気汚染レベルは世界で最悪となり、山火事の煙が病院内に入り込んだために、MRIが故障したとも伝えられています。
現在もニューサウスウェールズ州とビクトリア州では130件を超える山火事が続いています(4日時点)。
(↑のどが渇いたコアラが、自転車によじ登って、水をもらって飲んでいる)
山火事の原因
元来オーストラリアは山火事の常襲国であるものの、2019年から続くこの山火事は、このようにとんでもない規模に拡大しています。
その背景には2017年から続く、数百年来ともいわれる大干ばつ、加えて2019年の記録的な高温と少雨があります。
気象局によると、昨年一年間のオーストラリア全体の最高気温の平均は30.69℃で観測史上最高であったほか、平均年間降水量は277.63ミリと観測史上最低を記録したということです。また暑さは今年に入っても続き、4日にはシドニー郊外で48.9℃、シドニー空港でも43.3℃まで気温が上がりました。
このような天候の影響等により、本来は夏の12月から始まる山火事シーズンが、2019年は異例に早く春から始まったのです。
支援の手
支援の輪は広がっていて、ハリウッドスターのニコール・キッドマン夫妻が50万ドルを寄付したほか、ナタリー・ポートマンやキム・カーダシヤンなど国内外の俳優、タレントやアスリートなども寄付や義援金の呼びかけをしているようです。
またオーストラリア赤十字社、世界自然保護基金、ポートマッコリーコアラ病院、救世軍など、多くの機関や組織も寄付の受け付けを行っています。