まさかの全滅!30代40代ミドルスペック男性たちのお見合い体験記~お見合いおじさん活動月報(25)~
自分も楽しくて他人の役にも立てる趣味がほしいと思ったのです。恋バナと会食が大好きな僕が見つけたのが、お見合いおじさん活動:略称おみおじ。自分の周囲にいる独身男女に声をかけて引き合わせる活動です。
僕は友人でもあるイラストレーターのつぼい氏と組んで、2014年の春からおみおじを楽しんでいます(今までの活動レポートはこちらとこちら)。僕の人脈をオネット(大宮ネットワーク)、つぼいさんの人脈はツヴォイと称して、男女それぞれ4人の会員に良さそうな独身者を紹介しているのです。最近は、婚活講師のマチコ先生にも仲間に入ってもらっています。
僕たちのおみおじによって結婚した人は今のところ1人のみ。でも、まだ独身の会員からも感謝されていますよ。友人知人のお墨付きの独身異性と出会えることって、年齢を重ねるごとに少なくなっていくからです。おみおじで恋愛感度を向上させ、別の場所で見つけた相手と結ばれた「卒業生」は過去4人います。「私は婚活に向いていないことがわかった」と去って行った人は5人もいますが、それもまた有意義な自己発見ですよね。
結婚願望がある独身男女に優しくお節介する! 愛すべき隣人の婚活を結婚相談所やネットだけに任せておかない! 全国に広まってほしい「おみおじ」の実例をリポートします。
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ハンサムな田崎さんの頭をポカリと一発殴りたい
昨年10月に公開したオネット男性メンバー4名とのお見合い募集記事(こちら。募集は終了しています)。53名もの女性からお問い合わせをいただき、この原稿を書いている1月5日までに5名の女性と面談をして、4件のお見合いを実行しました。メンバー4名にそれぞれ1件ずつ、です。
少なくとも1組ぐらいは交際に発展すると予想していたのです。しかし、結果はまさかの全滅! なんということでしょう。お見合い内容の詳細は省きますが、面談してお見合いを組んだ4名の女性がどんなに素敵だったのかを振り返っておきます。ああ、本当に残念です……。
まずは身長180センチのスポーツマン、田崎光博さん(42歳)のお相手。小売業界の大企業で正社員として働く34歳の女性です。出張先に向かう新幹線の中で本連載を読み、その場で必要事項をメモして、僕宛に応募メールを送ったとのこと。的確で丁寧で迅速。できるビジネスパーソンですね!
実際に会ってみると「バリキャリ」感はなく、賢くて優しいお母さんになれそうな雰囲気。妹が結婚したばかりで、自分も1年ほど前から婚活アプリや結婚相談所に登録し、婚活を続けているそうです。
「婚活を長く続けていると気持ちが落ちてしまう女性も多いのですが、彼女は根が明るいですね。かめばかむほど味が出る田崎さんとの相性もいい気がします!」
面談に同席してお見合いの引き合わせもしてくれているマチコ先生も大いに乗り気だったのです。それなのに……。田崎さんの頭をポカリとやりたい気分です。
次に会ったのは、愛知県三河地方で男性看護師として働いている北村伸雄さん(31歳)とのお見合い希望者。自分も愛知県内で看護師をしている27歳のかわいい女性です。
「夜勤入りの日に暇だったのでネットニュースを見て記事を見つけました。家から近いし面白そう!と思ってメールしたんです」
そういう軽いノリ、いいと思います。昨年の夏に年上男性と別れ、結婚願望はむしろ高まっているそうです。
「看護師をしていると身寄りがない人の最期をみることも少なくありません。死ぬときに一人は嫌だなと思ってしまいます」
料理が好きでお酒を飲むことが大好きだという彼女。太っていたりケチだったりする人だけはNGとのこと。マラソンとビールを愛するオシャレな北村さんとはぴったりだと思ったのですが、難しいですね。
ちなみに北村さんのほうは彼女を気に入っていたのです。わかるよ、その気持ち。でも、新しい出会いに向かいましょう。そろそろ次の候補者(いずれも愛知県在住)と面談するので、ちょっと待っててね!
「次がある」「もっといい人がいるはず」と無意識のうちに感じていませんか?
年収600万円で実家暮らしの正社員なのに貯金がない大島淳平さん(仮名、42歳)。自分は未婚だけどシングルマザーOKと公言しています。彼にはシングルマザーからの応募が殺到しました。その中でご縁があったのは、都内で会社員をしている39歳の女性。いわゆる未婚の母です。パートタイマーの母親と6歳の息子との3人暮らし。父親は他界しています。
「貯金がないところが逆に面白いと思って応募しました。大島さんは何沼に落ちてしまっているのでしょうか? あまりハイスペックな男性だと私が委縮してしまうので、お見合いが楽しみです。男性の見た目にはこだわりはありません」
軽い浪費癖ある大島さんの欠点を「沼」と表現するあたりにセンスを感じます。面談とお見合いを終えての感想としては、「美人で話も面白くて魅力的な女性だけど、現在の生活を変えることは難しい」です。実際、一人娘として「墓守り」のプレッシャーすら感じているそうで、3人での暮らしが出来上がってしまっています。実家のある埼玉県の某市で住み続けることに妙なこだわりを見せる大島さんとその意味では似ているかもしれません。似た者同士で折り合いをつけられればよかったのですが……。
最後の望みは経営コンサルタントの山本啓二さん(35歳)にあったのです。彼とのお見合いを希望してくれたのは30歳の銀行員女性。スレンダーな美人です。
「短大を出てから同じ会社で10年働いています。ずっと同じ担当をしているのでちょっと仕事に飽きて来てしまいました。何でも経験してみたいので、会社には内緒で実家近くで一人暮らしをしています」
最近は婚活を始め、パーティーや相席酒場、アプリ、結婚相談所などを積極的に利用しているそうです。昨年は婚活イベントで知り合った6歳上の男性と数か月間お付き合いをしていました。
「大人の余裕が感じられて、リードをしてくれました」
ここでマチコ先生がすかさず分析。大人の余裕とは経験の蓄積を指し、経験のみがセンスのいい振る舞いや身だしなみを作る、と。僕も賛成ですね。山本さんは誠実で思いやりのある男性です。社会になってからの苦労がにじみ出ていることもあります。それをいぶし銀の魅力に変えて、彼女とうまくいけばいいなあ。
「会ってみないとわかりません。でも、私はとりあえず付き合ってみるタイプです!」
ひたすら前向きな30歳。心強いです。安心してお見合いをしてもらったのですが、その結果が「2人で話してみた感じが何となく波長が合わないというか……。多分山本さんも同じように感じていると思います」とのメール。波長って何なの!? 最初からぴったり波長が合う人なんていないよ! とりあえず付き合ってみてほしかったな……。
以上、ちょっと八つ当たり気味に書いてしまいましたが、今回の面談とお見合いで得た感想があります。それは、男女ともに「次がある」「もっといい人がいるはず」と無意識のうちに感じて、目の前にあるかもしれないチャンスを逃していることです。選択肢が増えすぎた現代人の病ですね。
次があると思っているうちに歳月はどんどん過ぎていき、独身のままで少しずつ老いていくのです。振ったり振られたりして傷つくリスクを負えない人に次なんかありません。いまここにあるチャンスをグイッとつかんで、ダメだったらちょっとだけ反省して、そのときこそ次に行けばいいじゃないですか。ホントにもう、頼むよ~。(僕とつぼいさん以外の登場人物は仮名です)