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音楽NFTを突如ライブ時に発表、“しあ”による新ユニット“しあっぷる”が打ち出す次世代マーケティング

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
しあっぷる:photo by 多田圭佑

●コアファン向けのプレミアムな記念品的存在として音楽NFT作品は位置付けられていく

音楽NFTの発表方法にルールは無い。シンガー・ソングラッパーとして活躍する新しい才能“しあ”が、2023年6月2日、自身が主催するイベント『せれんでぃぴてぃ vol.2』にて、葬儀屋エンジニア・DJの“あっぷるささき”とのユニット、“しあっぷる”を結成。“あっぷるささき”と共にイベント用に制作したアッパーなテーマソング「せれんでぃぴてぃ230222」を2023年6月2日18時20分に、EBISU BATICAにて主催イベント中の、ラジオ風対談トークコーナーでカウントダウンを行い突如発表した。

イベントの高揚感もあり、音楽NFTのリリースに会場は大いに湧いた。おそらく「NFTとはなんぞや?」という人も湧いた(はずだ)。大事なのは勢いとタイミングである。本作は、デジタルディストリビューターBIG UP!よりSpotifyやApple Music、LINE MUSIC、YouTube Musicなど各種ストリーミングサイトへもディストリビューションされ、6月2日深夜にリリースとなった。

そう、イベントと共に音楽NFTのリリースは配信を盛り上げ、そして、コアファン向けのプレミアムな記念品的存在として音楽NFT作品は位置付けられていく。言うならば、初期ファンであることを証明するアイテムと言えるだろう。機知に富んだ個の表現者が展開する、新たなデジタルマーケティング施策である。

NFT版「せれんでぃぴてぃ230222」は、ユニークナンバーがふられた1点モノである音楽NFT作品である、“今しか買えない記念品”という特性を活かした挑戦的なリリースとなった。

http://dot-mura.com

●ハツラツとしたビートと絡み合い感情をアップリフト

本作は、日本の音楽NFTのパイオニア、NFTマーケットプレイス『.mura(ドットミューラ)』にてドロップされた。“しあ”の特徴である、等身大の感情や価値観を流麗なるメッセージとして打ち出し、本作でDTMデビューとなる“あっぷるささき”によるハツラツとしたビートと絡み合い感情をアップリフトしていく。本作には楽曲タイトルの通り「人生は偶発的な出会いによって輝く!」という、人が生きる上での本質を描いた想いが表現されている。価格もお手頃で購入しやすい、音楽NFT初心者におすすめしたい作品だ。

なお、タイトルの意味深な数字は、第1回『せれんでぃぴぃてぃ』が行われた2023年2月22日を示している。主催者である“しあ”、そして“あっぷるささき”、“えんひろ”が初めて出会った日だ。コロナ禍を経たZ世代の表現者にとって、対面で盛り上がれる居場所の貴重さは、より思いが深いものがあるはずだ。結果、この3人が偶発的に出会ったことへの感謝の気持ちが本作には込められている。それは、日常を生きるすべての人が共感できるテーマだ。書を捨てよ町へ出よう(by 寺山修司)、である。

ぴぴぴ!せれんでぃぴぃてぃ:ARフィルター制作 by enhiro
ぴぴぴ!せれんでぃぴぃてぃ:ARフィルター制作 by enhiro

プロフィール:しあ(Rapper)

長崎生まれの福岡育ち、東京を中心に活動しているラッパー・シンガーソングライター。6歳の頃から詩を書くのが好きで、18歳の時にラップに目覚めた。自らが全ての作詞を手掛け、等身大の感情や価値観を楽曲を通して世に提示している。2019年リリースの1st single「Petrichor」はテレビ朝日系「BREAK OUT」にて取り上げられた。2021年12月に1st album 「WORLD OF SHEER」をリリース。2022年5月には「スシロー行きたい」が期間限定でスシロー全店でオンエアされた。一層制作活動に力を入れ、日本のみならず世界へ向けて、“しあ”の音楽を発信していく。

しあオフィシャルサイト

https://sheerworld.studio.site

NFTマーケットプレイス『.mura(ドットミューラ)』

http://dot-mura.com

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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