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「終身雇用守るの難しい」…そんな今就活生が考えるべき事

酒井一樹就活SWOT代表
(写真:アフロ)

経団連会長やトヨタ社長など、経済界の重鎮と言える人物達から「終身雇用を守るのは難しい」という発言が相次いでいます。

これまで、経団連などの経済団体では「終身雇用は日本企業の強み」という立場で主張してきた経緯があり、今回の発言はそれを実質撤回しているようなものになります。

薄々わかっていた事ではあるのですが、実際に経済界の大物がわざわざ明言せざるを得ない状況まで来ているという事になります。

目を背けていた現実を改めて認識せざるを得ない状況となっています。

【終身雇用について新卒者が知るべきこと】

この問題を、就活生の目線で考えてみたいと思います。

まず、今企業側が「終身雇用は難しい」と思っているからといって、解雇規制がすぐさまなくなるわけではありません。

どちらかというと問題になるのは、「1つの会社の収入だけで昇給し続けていくことは難しくなっていく」という事や、長く勤めたからと言って昇進できるポストがあるとは限らないという事。これは杞憂ではなく明確に現実の問題となっており、考慮しておくべき問題です。

就活生はこれから就職して、定年まで40年以上は何かしら仕事につく事になります。

しかし1つのビジネスの賞味期限がどんどん短くなって来ています。

「これからは○○の時代だ」と台頭してきた新しいビジネスが、数年後にはもう時代遅れとなっている事も珍しくはありません。

旧来のビジネスも、IT技術の導入などによりやり方がどんどん代わり、過去のスキルセットが不要になるケースもあります。

そんな中で大事なことは、「新しいやり方を柔軟に身につける」事に慣れておく事です。

ビジネスは常に変わっていく前提であり、ビジネスが変わればそれに従事する人材も新しいスキルセットを身につけていかなければいけません。

もちろん入社した会社で経験を積んで手に職をつけることは今までどおり重要ですが、ただしその会社の中でしか通用しないスキル・ノウハウばかり身につけるのは危険です。

同じ企業の中でも別の仕事をすることになる可能性、あるいは他の企業や異業種に移る可能性を考慮しておきましょう。

就活の段階から、それを考慮に入れた上で企業選び、職種選びをするのがオススメです。

就職した会社も1つの取引先

こういった文脈で「これからは副業の時代」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、安易に副業を勧めるつもりはありません。

仮に副業をするようになったとしても副業だけで食べていける人などはごく一部であり、「安定した取引先」として就職した会社での仕事が大事であることに変わりはありません。

個人で仕事をされている方であれば、「安定した一社」の存在が非常に大きいことは同意していただけるかと思います。

その一社での仕事を蔑ろにせず、良好な関係を築きながらプラスαを考えるのがこれからの時代に望まれる新しいキャリアの築き方になっていくのではないかと思っています。

どのような企業に入るのであれ、新卒での就職はその方向性を決める上での大事な一歩となります。

目先の待遇ばかりでなく、自分のキャリア観に合致する企業を見つけてアプローチしていただければと思います。

就活SWOT代表

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNSの代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年にエイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やす事」を命題として就職情報サイト「就活SWOT」を開設。

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