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Threadsが時系列表示に対応。X(Twitter)とはどう違う?

山口健太ITジャーナリスト
「フォロー中」表示に対応した(Threadsのアプリより、筆者撮影)

7月26日(日本時間)、メタの新アプリ「Threads(スレッズ)」に、フォローしている人の投稿だけを表示できる機能が加わりました。

この表示方法は、「X」に名称変更したTwitterで人気だったこともあり、両者の比較に注目が集まりそうです。

「おすすめ」と「フォロー中」を切り替え可能に

SNSの投稿をリスト表示する方法として、Twitterでは「おすすめ」と「フォロー中」という2つの選択肢がありました。

「おすすめ」には、フォローしている人や時系列とは関係なく、いま話題となっている面白い投稿が次々と出てくる仕組みです。

これに対して「フォロー中」は、フォローしている人からの投稿が時系列で並ぶため、特定の人からの投稿だけ読みたい場合や、最新情報を追いたい場合に向いています。

Threadsのサービス開始当初は「おすすめ」のみでしたが、今回のアップデートで「フォロー中」が新機能として加わりました。

最上部にあるThreadsのアイコンか、最下部の「ホーム」をタップすることで、「おすすめ」と「フォロー中」を切り替えるためのタブが出てきます。

最上部のアイコンをタップして切り替えられる(Threadsのアプリより、筆者作成)
最上部のアイコンをタップして切り替えられる(Threadsのアプリより、筆者作成)

使い勝手はTwitterの「フォロー中」とよく似ているものの、アプリを開き直すとこのタブは消えてしまい、表示を「フォロー中」に固定することはできないようです。これはInstagramのアプリでも同じです。

Instagramでは左上のロゴをタップして切り替えられる(Instagramの公式ブログより)
Instagramでは左上のロゴをタップして切り替えられる(Instagramの公式ブログより)

このように、たしかにThreadsに「フォロー中」表示は実装されたものの、あくまでオプション扱いという印象を受けます。

Twitterとはどう違う?

Threadsで時系列表示が可能になったことにより、すぐに切り替えられるのは確実に便利になったといえます。

できれば表示を「フォロー中」に固定できる機能が欲しいところで、技術的には容易に実現できそうです。ただ、ビジネス的には難しいのではないかと筆者は考えています。

メタのようなSNS事業者がユーザーに見せたいのは、「おすすめ」表示といえます。その背景には、SNSや動画アプリの間で起きている時間の奪い合い競争があると考えられます。

時系列表示では、最後までスクロールするとそれ以上表示できる投稿がなくなり、ユーザーは他のアプリに切り替えてしまいます。しかし「おすすめ」表示なら、事実上無限に投稿を表示できるわけです。

また、「フォロー中」を面白くするにはユーザーが面白いと思う人を自分でフォローする必要があります。しかし「おすすめ」表示なら、そうした努力をしなくとも面白い投稿を楽しむことができます。

ただ、実際には「おすすめ」に興味のない投稿ばかりが並んでいるといった不満の声も少なくありません。そこでSNSや動画サービスではユーザーが気に入る「おすすめ」を作るためAIなどに投資を続けています。

一方、Twitterは「おすすめ」表示を基本とするよう方針変更したこともありましたが、ユーザーから不満の声が上がり、現在では「フォロー中」に固定できる仕様に落ち着いています。

2つのアプリで画面の見た目はよく似ていますが、こうした細かな仕様から、背後にある考え方の違いを読み取れるのではないでしょうか。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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