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メンタル疾患の方が「薬をやめたい」と思ったら、真っ先に考えなければならないこと。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「薬をやめたいと思ったら…」というテーマでお話したいと思います。

薬(抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬)をやめたいと思ったら、減薬したい旨を主治医に伝えることです。それが1番大切です。自分で勝手にやめてはいけません。

自分で勝手にやめてしまうと、最初は調子がいい感じがすることもありますが、しばらくすると、また調子が悪くなることが多いです。調子が悪くなると、薬を再開しても、元の調子に戻るのに、非常に時間がかかります。だから自分の判断で、勝手に薬をやめてはいけないのです。


※ 補足説明ですが、精神病の場合は、病識がないことが多く、薬をやめて状態が悪くなっていっても、本人が気付かない…ということが、よく起きます。そして、それは非常に厄介なことです。

話を戻します。
勝手に薬を飲むのをやめて、病気を悪化させるというのは、多くの患者がもっとも陥りやすい過ちです。どうぞ心に留めておいてください。

それから、よく、「薬を飲むのをやめて、早く会社に復帰したい」などの声を、クライアントから聞くのですが、それは間違いです。誤った考え方です。
薬を飲みながら会社に復帰し、薬を飲みながら、以前の状態まで仕事が出来るようになり、それから少しずつ少しずつ薬を減らしていくのです。

そう、「治りました、薬を飲むのをやめました、会社に復帰しました」という順番ではないのです。ですから、心の病になる前の元気な状態、仕事していた状態、その状態になってもないのに、薬を減らそう…と考えるのは、早計ということになります。

私は、カウンセリング時にクライアントから薬を見せてもらい、薬の相談に乗ることが多いのですが、最終的には、クライアントの意志、精神科医の考えを最大限に尊重するようにしています。

というわけで、今日は、「薬をやめたいと思ったら…」というテーマでお話しさせて頂きました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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