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【名古屋市】出会ったのは街のくまさん!とっても美味しいパンを焼いていましたよ

羽矢旬良ライター(名古屋市)

ある日の昼下がり、たまたま通りがかった道路の向かい側に「くまぱん」の看板を見つけて「あ、パン屋さん?」と立ち止まった時、自転車で走って来たお客さんがお店に入っていきました。ちょっと気になり始め、自分も入ろうかなと道路を渡るタイミングを見計らっていたところ、今度は歩いてきた3人組が入っていきました。「お客さんが出たタイミングで入ったら店主と話ができるかな」と思い、しばらく待ってみたところ、お客さんが出ると同時に入る人がいて、なかなかタイミングが合いません。客足が途絶えることがないのです。「ひょっとして有名店?」と思いネットで口コミを検索してみたところ、ローカルで高く評価されているお店のようです。「これはちゃんと話を聞きたい」と思い、また別の日に訪問することにしてその日は立ち去りました。後日、改めて夕方にお店に伺ったところ、ほとんどのパンは売れてしまって空のトレイが並んでいる状態。とりあえずこの日は店主とお話をするだけ、購入と撮影は別日という初めての展開となりました。

店主はもともとホテルの厨房で洋食を担当する料理人でしたが、パンをやりたいと思って方向転換したそうです。いくつかのパンの専門店で修行した後、この地にお店を開きました。今年でちょうど16年目だそう。パン作りに対するこだわりをお聞きしたところ、「特にないですね。毎日、真面目にパンを作るだけです」とのこと。そう話す店主のお店はこぢんまりとしていますが、豊富な種類のパンが並んでいます。

中でもハード系のパンは2通りの作り方をしているそうで、その日に仕込んで焼き上げるという伝統的なフランスの工程でつくるバケットと、全粒粉を20%混ぜ、イーストを最小限に抑えた生地をオーバーナイトで24時間かけてじっくり発酵させる工程を経るものがあるそうです。
前者は軽い食感と風味のパンに、後者はしっとりした食感で小麦の風味をじっくり味わうことができるものに仕上がるのだとか。

今回、3種類のパンを購入してみましたので、順番にご紹介します。まずは、ヨーグルトデニッシュ。バターを感じるデニッシュにヨーグルトの風味が加わり、さっぱりした味わいに仕上がっています。ほどよい甘みがくせになりそう。夏にピッタリのパンという印象です。

続いて、バケット食べ比べ。まずは、伝統的な製法で作られたもの。こちらは、軽くトーストして、以前ご紹介した「名古屋チーズ工房 HAKU」さんのミルクソースをかけてみました。「サクッ」とした食感と軽い風味は、組み合わせを選びません。万能パンといったイメージですね。

3つ目は、テリヤキチキンのバケットサンド。24時間かけて発酵させたバケットが使われています。レンジで数秒間温めた後、トースターで軽くトーストしていただきました。ジューシーなチキンとマヨネーズ、マスタードの風味が見事にマッチしています。表面はカリカリ、中はしっとり感が残るバケットからのグラデーション。相性が抜群です。バケットの小麦の風味もしっかり感じます。これは美味しい。

客足が途絶えない理由がわかった気がします。「くまぱん」さんの店主が言う「毎日、真面目にパンを作るだけ」は、何事にも通じる原点なのかな。「くまぱん」さんは、自ら積極的に情報発信をしていません。「忙しくてSNSとかやってる暇がないんです」と店主。こうしたローカルでは有名だけど知られざるお店はまだまだあるのでしょうね。

店舗情報

店名:くまぱん
住所:名古屋市中村区牛田通1丁目23-1
TEL:052-471-3459
営業時間:9:00~19:00
定休日:月曜日 火曜日

ライター(名古屋市)

名古屋生まれの名古屋育ち、現在は近郊在住。ライトなものからディープなものまで、名古屋のリアルを主観を添えてお伝えします。

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