元パウンド・フォー・パウンドが元6階級制覇のスター王者との戦いを熱望
6階級にわたって計11度、世界タイトルを獲得したオスカー・デラホーヤが、3月26日にカムバックをアナウンスした。7月3日にPPVでのファイトを企画中だという。Triller社と交渉中であるようだ。
それを受け、2020年11月28日にマイク・タイソンとのエキシビションマッチに出場した4階級制覇の元パウンド・フォー・パウンドKING、ロイ・ジョーンズ・ジュニアが、デラホーヤ戦を熱望する。タイソンvs.ジョーンズも、 Triller社によって組まれたため、実現の可能性は低くない。
現地時間2日、ジョーンズは、トレーナーを務めるアルフィ・スミスに「デラホーヤとやりたいね!」と語った。
スミスは言う。
「彼らは階級の違いもあって、対戦したことが無いよね。でも、今こそファンに偉大なるファイトを見せる最高のタイミングだ。お互いにそう感じているよ。
デラホーヤはボクシング史に刻まれる左フックの名手だし、ロイも同様に左フックで対戦相手を沈めて来た。我々は、どちらのフックがベターかを目にする生きた証人になれる。世界中のファンが、ロイとデラホーヤとの試合を望むさ」
スミスの鼻息は荒い。
「両者の戦いは、ビデオゲーム内でしか行われなかったドリームカードだ。それが現実になれば誰もが胸を躍らせるよね。ロイは今でも毎日トレーニングしている。非常にコンディションが良く、体もキレている。スピードも申し分ないよ」
ジョーンズはパウンド・フォー・パウンド最強として認められはしたが、観客動員数でもトップという訳ではなかった。
1994年5月27日、ジョーンズにとって初めて腰に巻いた世界のベルト、IBFミドル級の初防衛戦では、デラホーヤの前座としてリングに上がらねばならなかった。当時のデラホーヤは、WBOスーパーフェザー級王者。彼もまた初防衛戦だった。
ソウル五輪(1988年)決勝で不可解な判定に泣き、銀メダリストとなったジョーンズは、バルセロナ五輪(1992年)の金メダリストとして颯爽とプロに転向したデラホーヤとの差を嫌でも感じざるを得なかった。その苦い思い出は、パウンド・フォー・パウンド最強となってからも、決して消えはしなかっただろう。
確かに両者は左フックを得意としていた。デラホーヤ自身も現役時代、ベストパンチは左フックだと私に語った。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20170920-00075786/
今でなければ実現しないカードであることは確かだ。二人が対峙すれば、そこそこの話題にはなるだろう。しかし、ボクシングという競技に、ゴルフのようなシニアツアーは成立しない。
昨年のエキシビションでのタイソンも、ジョーンズに対して本気でパンチを振るわなかった。そういった"エキシビション"でなければ、この年齢でリングに上がれる筈もない。
PPVの売り上げを伸ばすために煽るのも理解できるが、元チャンピオンたちがケガをしないことを祈るばかりだ。