レアルと「チュアメニ問題」の結末。カゼミロ不在で失われたアンチェロッティのバランス。
過密日程に、押し込まれている。
今季、タフなカレンダーに対峙しているのが、レアル・マドリーだ。秋冬開催のカタール・ワールドカップがあり、2023年に突入して1月にスペイン・スーパーカップ、2月にクラブ・ワールドカップとトーナメントが続く。カルロ・アンチェロッティ監督には、その中でのやり繰りが求められている。
■過密日程と移籍
ただし、そういった状況でも、疲労だけが苦戦の原因ではない。
マドリーは今夏、カゼミロをマンチェスター・ユナイテッドに放出した。移籍金7000万ユーロ(約98億円)のオファーが届き、カゼミロのプレミアリーグ行きが決まった。
代役に選ばれたのは、オウリエン・チュアメニだった。正確に言えば、チュアメニの獲得というのは、カゼミロの放出前に決まっていた。だがカゼミロが不在となり、急遽チュアメニが中盤の底のポジションでレギュラーを務めることになった。
そもそも、チュアメニは、ワンアンカータイプの選手ではない。前所属のモナコでは、ダブルボランチの一角でプレーしていた。フランス代表でも、ダブルボランチで起用されている。チュアメニがカタールW杯で最も良いパフォーマンスを見せたモロッコ戦では、ユスフ・フォファナとコンビを組んでいた。守備型のボランチと組み、ハイパフォーマンスを披露したのは偶然ではない。
ただ、アンチェロッティ監督は、チームの課題に気付いてはいる。今季、幾度となくマドリーのディフェンスの問題を指摘している
「昨シーズン、我々が成功した要因は、守備にある。最近の試合では、我々は個々のデュエルで敗れている。また、チーム全体が常にコンパクトにはなっていない」
「対戦相手より決定力に欠け、1対1で集中できていなかった」
「今シーズン、我々は多くのゴールを奪っている。一方で、昨シーズンより、守備がよくない。今シーズン、後半戦では、そこを改善しなければいけない」
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■マドリーの守備力
シーズン前半戦、いや、まずは2022年のレアル・マドリーを振り返ろう。
マドリーは2022年のラストマッチでバジャドリーと対戦。白星で締めくくった。
しかし、今季、そこまでの22試合というのはアンチェロッティ監督を納得させるものではなかった。
52得点20失点という数字は、昨季の同時期の51得点18失点とそれほど変わらない。
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