Yahoo!ニュース

X(Twitter)のURLが「x.com」に転送開始 影響は?

山口健太ITジャーナリスト
x.comへの転送が始まった(Safariの画面より、筆者作成)

5月17日、XのURLを「twitter.com」から「x.com」に転送する取り組みが始まったようです。

2023年に始まった「Twitter」から「X」へのブランド移行がいよいよ完了しつつあるといえますが、利用者にはどのような影響があるのでしょうか。

URLの転送開始 近いうちに恒久化か

2023年にはTwitterからXへのブランド変更が実施され、アプリのアイコンが変わるなどの変化はあったものの、WebサイトのURLは「https://twitter.com」のままでした。

しかし最近では一部の機能で「https://x.com」で始まるURLが使われるようになっていました。そして今回、いよいよWebサイト全体の転送が始まったようです。

Webブラウザーから「https://twitter.com」にアクセスすると、「https://x.com」に転送され、「XのURLが変更される予定です」との案内が表示されるようになっています。

URLが変更される予定との案内(XのWebサイトより、筆者作成)
URLが変更される予定との案内(XのWebサイトより、筆者作成)

技術的には、一時的な転送(HTTP 302)として実装されており、何か問題が起きたときなどに備えて、転送をやめる可能性を残していることがうかがえます。

ただ、これまでのブランド変更の経緯や、イーロン・マスク氏による投稿を踏まえれば、いずれは恒久的な転送(HTTP 301)に切り替わると予想できます。

一般的なWebブラウザーや検索エンジンであれば、どちらの転送方式にも対応しています。Webサイト内のリンクやブラウザーに登録したブックマークは問題なく機能するでしょう。

そのため、Xの利用者に大きな影響はないと思われるものの、世界中でさまざまな用途に使われているだけに、細かい不具合や不便な現象に直面する可能性はあります。

たとえばグーグル検索では、検索キーワードに「site:twitter.com」を加えることでXの投稿を検索できますが、現時点では「site:x.com」で検索した場合と検索結果が異なるようです。

また、Webサーバーにアクセスする機能を独自に作り込んでいるツールでは、URLの転送を考慮して実装されておらず、対応できない場合が出てくるかもしれません。

逆に、プロフィールの登録フォームなどで「https://twitter.com」で始まるURLの入力を求められるような場合、当面は x.com が使えず、twitter.com を使い続ける必要がありそうです。

名刺や製品パッケージなどの印刷物にXのURLを記載している場合は悩ましいところです。いずれかのタイミングで x.com に切り替えるか、ユーザー名だけの記載にするなどの検討が必要になるでしょう。

いつまで転送は続く?

このように、twitter.com から x.com への転送が続く限り大きな問題はなさそうですが、逆にいえば転送が終われば問題が起きることになります。

いつまで転送を続けるかはX側の判断に委ねられており、twitter.com へのアクセス状況やコストなどを見て判断することになるでしょう。

万が一、転送が終わってしまった場合でも、URLの基本的な構造が変わらなければ、twitter.com を x.com に手動で書き換えることでアクセスできる可能性があります。

とはいえ、TwitterのURLはインターネット上だけでなく紙や映像媒体にも多数記録されていることを考えれば、可能な限り転送を続けてほしいところです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

山口健太の最近の記事