中尾ミエ 歌手人生60年のエンターテイナーが情熱セッション「美しい音で歌うといい女になった気分に」
3人のアレンジャーと素晴らしい豪華ミュージシャンと、圧巻のセッション
常にオリジナルのサウンドを追求し、日本を代表する編曲家・ミュージシャン達が上質なセッションを届け続けている音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の、3月19日(土)放送回に、歌手デビュー60周年を迎えた中尾ミエが登場。歌謡曲の黄金期から活躍する中尾が、3人のアレンジャーと素晴らしい豪華ミュージシャンと、圧巻のセッション。昭和世代のエンターテイナーの“強さ”を見せつけてくれた。
体にフィットした、華やかなステージ用ドレスとハイヒール。まずそのスター然とした、凛とした美しい立ち姿に引きつけられる。長年、ミュージカル、コンサート、映画、テレビドラマなど様々なステージでスポットライトを浴びてきた、スターの自信が輝きとなって目に飛び込んでくる。そしてひとたび歌い始めると、その圧巻の歌声と表現力に引き付けられる。
1曲目は、中尾が20代から歌い続けている代表曲のひとつ「片思い」(1971年)を、笹路正徳のアレンジで披露。当時の歌謡曲は、バート・バカラックの影響を受けているであろう楽曲が多く、それがJ-POPへとつながっていくが、この曲も女性の儚い恋心を描いた極上のポップスだ。美しいメロディに寄り添うようなストリングスが印象的で、柔らかで優しいアレンジが歌をより“立てる”。
2曲目は、自身のコンサートでも欠かせない、鉄板の盛り上がりソング「帰ってきた女」(1980年)を、名匠・船山基紀のアレンジで歌った。この作品は、歌詞に地名や男性の名前、職業名が入ったユニークなナンバーで、船山がラテンフレーバーのアレンジを施し、ラストは、中尾も出演していた昭和の人気番組「シャボン玉ホリデー」の音楽コントのような、コミカルな感じで楽しませてくれる。
服部克久さんとの思い出が詰まった「愛の夢」を、名匠・船山基紀のアレンジで披露
3曲目は、服部克久作曲の、中尾にとって忘れられない一曲「愛の夢」(1969年)。中尾は昨年11月に行なわれた、2020年に逝去した服部克久さんを追悼するメモリアルコンサート『Concert for Katsuhisa Hattori サウンドメーカー服部克久の世界』に出演し「ただそれだけ」(作曲:服部克久)を披露。その圧巻のステージには、客席からひと際大きな拍手が送られた。この曲の思い出について中尾は「当時は世界各国の音楽祭に呼ばれて、でも気軽に海外に行ける時代でもなかったので、私と服部さん二人だけで行くことも多かったです。だからその時の思い出は、二人だけにしかわからないから、歌いながら自分の中で掘り起こすしかない。できる限り歌い続けていきたい」と語っている。アレンジを手がけた船山はこのゴージャスで美しいメロディの楽曲を「服部さんは憧れの存在でした。なるべく原曲の雰囲気を崩さないように、でも今回の編成を生かした豪華なアレンジにしました」と、尊敬する偉大な音楽家に敬意を表しながらも、しっかりと船山カラーを加え、中尾の艶やかなボーカルを際立たせる。
「きれいな音で歌わせてもらうと、いい女になったような気持ちになる」
ラストはジャズのスタンダードナンバー「Stardust」を坂本昌之のアレンジで披露した。長年ジャズを歌ってきた中尾はこのセッションを「初めてのミュージシャンの方とセッションするのは楽しいし、どうなるんだろうって新鮮さを感じる。それがジャズというもの」と、この日限りのアレンジで、一夜限りのセッションを楽しんだ。坂本のエレガントなアレンジについて中尾は「きれいな音で歌わせてもらうと、いい女になったような気持ちになる」と絶賛していた。
全てのセッションを終えた中尾は「贅沢なひと時を味合わせていただき、幸せでした」とこの日の“ステージ”を満喫した様子だった。8月にはミュージカル『ピピン』(主演/森崎ウィン)への出演が控えるなど、その活動はますますパワフルさを増し、エバーグリーンな存在として、これからも多くの人に感動を与え続ける。
中尾ミエが出演する『Sound Inn S』(BS-TBS)は、3月19日(土)18時30分からオンエアされ、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。
また、3月27日には中野サンプラザで、番組がbillboardクラシックスとコラボレーション企画を開催する。新たな試みとして、東京フィルハーモニー交響楽団を擁し、これまで以上に贅沢な音色を聴かせてくれる『ミュージカルスターズ シンフォニーポップスコンサート』が開催される。小池徹平、佐藤隆紀(LE VELVETS)、愛希れいか、桜井玲香、東啓介が、極上のサウンドをバックに、ミュージカルの名曲他を披露する。こちらも、この番組らしい上質なサウンドに溢れるに違いない。