最愛の妻を亡くした男性が撮った、竜巻直撃の瞬間映像
ちょうど一年前の今日(4月9日)、アメリカで巨大な竜巻が発生しました。イリノイ州・フェアデールという小さな町では、家々が跡形もなく壊され、二人が命を落としたのです。
この竜巻によって最愛の妻を亡くした男性が、先日衝撃の映像を公開しました。その中には、竜巻が彼の家を直撃する瞬間が収められています。
なぜこのような映像が撮れたのでしょう。
当時85歳だったクレム・シュルツさんは、こう述べています。
その晩、竜巻警報は発令されていたが、まさかこの町を襲うとは思わなかった。ただ、竜巻が発生すると停電になることが多いので、妻をキッチンに残し、2階に上がってキャンプ用ランタンを取りに行った。すると、窓の外に竜巻を見つけたので、思わずカメラを回した。しかし、当初遠ざかると思っていた竜巻が、自宅の方に進んでくるのがわかった。時すでに遅く、もう妻を助けに行く猶予もなく、そのままカメラを回し続けた。
その後クレムさんは、瓦礫の下に埋まっていたところを、住民によって助け出されました。
この巨大な竜巻は、竜巻のスケール(改良版藤田スケール)で上から2番目に強い、EF4という強大なものでした。推定風速は秒速74〜89メートルで「壊滅的な被害をもたらし、車は小型ミサイルのように飛ばされる」ほどの威力があるとされています。
残念ながら奥さんのジェリさんは命を落としました。それに彼女の親友で隣人であった女性も亡くなりました。
しかし、奇跡的なことに、シュルツさん夫婦の写真が、55キロも離れた場所から見つかったのです。そして、竜巻の後いなくなっていた愛犬ミッシーも無事、発見されました。
ところで、日本の竜巻は一般的には弱いものが多いですが、かつて、この竜巻に匹敵する強さのものも発生しています。それどころか、2012年5月6日に茨城県つくば市を襲った竜巻は、局所的には風速が100mを超えていたとも言われています。そう考えると、この映像が、決して対岸の火事とは思えないのです。