3年連続のファイナル進出なるか!? カーリング世界ジュニア選手権で次世代の綺羅星が躍動中
フィンランド・ロホヤで開催中の世界ジュニア選手権大会で日本代表が快進撃中だ。
21歳未満(開催前年の6月30日時点)の選手が出場できるこの大会で、日本は2022年のスウェーデン・ヨンショーピン大会で初の金メダルを獲得すると、昨23年のドイツ・フッセン大会では銀メダル、と好成績を残している。
今大会のメンバーは中島未琴、 仁平美来、田畑百葉(以上北海道銀行)、上野結生(SC軽井沢クラブ)、三浦由唯菜(札幌国際大学)の5名。先日、札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで行われた日本選手権の決勝では、上野擁するSC軽井沢クラブが田畑ら北海道銀行に競り勝ち初優勝したのは記憶に新しいが、日本カーリングの未来を担う「次世代オールスター」と評しても決して大袈裟でないチームだろう。
チームは日本選手権決勝から中3日で軽井沢に集合し、軽井沢アイスパークで実戦中心の5日間の事前合宿を組んだのち、現地時間16日にロホヤ入りして公式練習のアイスに乗るという過密スケジュールをこなしてきたが、全選手が概ね好調を維持。ラウンドロビン(総当たりの予選)は7勝2敗の2位で通過している。
「ジュニア世代のチームとはいえ、既に世界での経験を持っている選手も多い。日本選手権でも結果が出たので、それぞれの経験をうまく活かして戦っていきたい」とは佐藤浩コーチの談話だが、上野と三浦は冒頭の2色のメダルを獲得したメンバーであり3年連続で日本ジュニア代表に選出されている。田畑は2020年のユースオリンピック(スイス・ローザンヌ)のミックス4人制で銀メダルに輝くなど、国際舞台慣れした選手も多い。
そういった意味では各ゲームのオーダーには贅沢な悩みがつきまとうのかもしれないが、佐藤コーチは基本的に仁平と田畑のバックエンドを固定しつつも、中島、三浦、上野の3選手をフロントエンドで起用してきた。上野はリードとセカンドのいずれも高いレベルでこなすなどチームに柔軟性をもたらし、コーチボックスに座ることの多い三浦だがどのポジションでも苦にしない実績と技術を持ち合わせている。各選手の経験と個性がここまでうまく融合している印象だ。勝ってなお、まだまだチームとして成長しそうな雰囲気すら漂う。
また、選手と共に3大会連続でファイナルを目指す小笠原歩コーチも帯同し、メンターの役割を果たしてるのも大きなプラス要因だろう。「小笠原コーチがいることで選手もリラックスして楽しそうに過ごせている」とは佐藤コーチだ。
その佐藤コーチは渡航前、「まずは相手より先にミスをしない堅実なカーリングをして、チャンスがあればしっかり勝負する。このメンバーならいい結果になると思います」そう語っていた。
その言葉どおり5選手はいずれも堅実で大人びたカーリングを展開し、ここまで駒を進めてきた。まずは日本時間23日金曜日、21時から始まるノルウェーとの準決勝に勝って3年連続のファイナルとメダルを確定させたい。決勝は日本時間24日17時に行われる。