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集まった義援金は一日でも早くマイナンバーを元に分配すべきではないか?今日の10万円の価値は大きい

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:石川県 令和5年奥能登地震災害義援金より第二次配分計画

KNNポール神田です。

1995年1月17日、阪神大震災から今日で29年が経過した。

阪神・淡路大震災と能登半島地震、2つの震災の犠牲者を追悼するとともに、29年前の教訓を今の被災地の支援にどう生かすか、ともに考える一日になります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240117/k10014323261000.html


筆者は神戸市の兵庫区で震災に直面した経験を持つ。
29年前にも、全国から、たくさんの義援金が集められた。

震災直後は、仕事の目処がつかず、収入のあてもたたないので、出費を少しでも抑えたい。そこに『1万円』でもあれば家族で1〜2日は、預貯金を取り崩さなくて生活費が助かる…。

全国、いや全世界から集めれた『義援金』は、『公正に公平に平等』に分配されるべく、委員会方式で分配が決められ、我が家に『義援金』の『分配金』が届いたのは、震災後の半年も経過した秋口であった。
そして、額面も『半壊認定』で『約10万円』だった。しかし、家の修繕費が、400万円の見積もりを眺めながら、この額面に愕然となった。同じ、10万円なら震災一ヶ月以内に分配されていたらどれだけ、心理的な支えになったかという思いだ。
そこで、提案したいのが、一律にエリア指定で、今月中に、まずは10万円を分配金をマイナンバーを利用し、登録している金融期間に分配するというしくみだ。

震災直後の現在価値の10万円と震災半年後の将来価値としての10万円の割引率は100倍程度あると考えるべきだ。

『マイナンバー』のメリットとして、防災時の個人確認としての機能が織り込まれているのだから利用すべきだろう。
『マイナンバー』の有無で分配金が決まるのは、批難もあるだろうが、義援金を振り込んだ人たちの役に立つ金額には『賞味期限』があるので、すぐにでも活用できる事例として『デジタル庁』は、義援金の分配に司令塔としての役割で進言すべきではないだろうか?

手間をかけて『マイナンバーカード』を取得した方々がまず、デジタル化の恩恵に預かれるというのは政府としても『マイナンバーカード』を押し付けることなく普及できる機会となることでもある。


■石川県への義援金は現在55.9億円(2024年1月15日現在)

令和6年(2024年)1月に発生した能登地方を震源とする地震で被災された方々を支援するため、(石川)県では、日本赤十字社石川県支部及び石川県共同募金会と連携し、令和6年(2024年)1月4日(木曜日)から令和6年(2024年)12月27日(金曜日)の間、義援金を受け付けます。
※お預かりした義援金は、関係団体等で構成される石川県災害義援金配分委員会により配分基準等を決定し、市町を通じて被災者の皆様にお届けします。
1月15日(月曜日)現在、5,591,619,989円の義援金を受付いたしました。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html


義援金の税法上の取扱い
個人からの義援金は、確定申告の手続きをすると、義援金のうち2,000円を超える部分は所得税の寄付金控除、住民税の税額控除が受けられる。
法人の場合は全額が損金として算入できる。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601_renraku.html#zei

ある意味、返礼品のない『ふるさと納税』と同様の税額控除があるので、現在は、寄付や義援がしやすくなっている。
しかも、ホームページ上での企業名や個人名も公表もでき、領収書も発行してもらえる。

出典:石川県
出典:石川県


https://apply.e-tumo.jp/pref-ishikawa-u/offer/offerList_detail?tempSeq=2663


■義援金をおよせいただいた方々 公表に同意者のみ

出典:石川県 
出典:石川県 

https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/documents/20240116gienkouhyou.pdf

義援金を寄せた人が、氏名を公開できるのもメリットがあるだろう。名前だけで住所も金額も非公開とできる。企業としての義援では、CSR活動としてのエビデンスにもなるからだ。しかし、利用しにくいPDFではなく、テーブル形式のHTML文書の方が調査報道をしたい我々にとっても税務署にとっても有益なはずだ。
なんでもPDFで公開するのを当たり前だと思っている。かな漢字混じりのPDFファイルは、生成AIでも処理しづらい。

■昨年5月の『奥能登地震』での義援金配布委員会開催までに約2ヶ月経過

昨年(2023年)令和5年5月5日に同じく石川県で発生した奥能登地震。 

令和5年奥能登災害義援金配分委員会』によると、第1回の配分委員会の開催までに約2ヶ月も経過している(2023年7月11日開催)。
集まった義援金は、総額1.6億円( 160,576千円:令和5年7月9日時点)
配分申請期間は令和5年10月31日まで(震災から5ヶ月経過)。

□配分対象

令和5年奥能登地震により、以下の被害を受けられた方

人的被害:死者、重傷者

住家被害:全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊、準半壊、一部損壊

出典:石川県 令和5年奥能登地震災害義援金より
出典:石川県 令和5年奥能登地震災害義援金より


第2回義援金配分委員会は、令和5年12月11日(震災から7ヶ月経過)に開催し、次のとおり第二次配分計画を決定。第二次では、3.4億円(うち174,880千円を第一次配分済み)を計上。

出典:石川県 令和5年奥能登地震災害義援金より第二次配分計画
出典:石川県 令和5年奥能登地震災害義援金より第二次配分計画

https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kousei/gienkinbussi/r5okunotojishingienkin.html

すでに、震災から7ヶ月経過して義援金がやっと分配される結果となっている。
今回の震災の義援金は現在で55億円、昨年の二次までの3.4億円とケタ違いの規模だ。
それだけ被害も甚大なので、1日でも早く、一律10万円づつ、住民票やマイナンバーカードで確認できる世帯に対して、まずは配布するというのはどうだろうか?
委員会で検討している間、被災地の半壊などの住めない状況ではないところで、『り災証明』の調査を待たされるほうが、二次災害を生む要因となる。

まずは、0次配布として、今月末に、一律10万円を送ったほうが55億円の使い道が見える。『り災証明』の判断が難しく時間のかかる『中規模半壊、半壊、準半壊、一部損壊』の調査は半年後の6月以降とするなどと決定すれば、避難しやすくなる人も多いはずだ。

29年前の阪神大震災の頃から、いつもこの義援金に関してはモヤモヤとしている。
義援した人もそのお金の使われる時期について一家言申してもよいはずだ。
今すぐ、困っている人に役立ててほしいと…。

テレビニュースでも、寄付を募集するだけでなく、配布が始まり、義援金で助かった人たちを報道することによって、さらに義援金は集まることになるだろう。そして、2月の確定申告の始まる前に、特にサラリーマンの人であれば、自分が収めた税金を、税額控除で、義援金に回すことができることを知るだけでも、義援金活用で直接的な税の使い道を知ることができるようになる。

義援金で確定申告で自分が払った税金が、還付ができる金額のしくみに興味が持てれば、税金が還付されるファイナンスのスキルを身につけることもできるだろう。すると、当然、新NISAなどにも興味がわいてくるはずだ。
義援金の税額控除で、まわりまわって、金融教育も同時にサラリーマンにリスキリングとして知ってもらうよう努力すべきではないだろうか?

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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