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「もう何年現役でやれるか…」。15人制日本代表最年長・大野均の「試合数」論。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨季トップリーグ新人賞を獲った小瀧尚弘とは、本人が高校生の頃からの知り合い。(写真:アフロスポーツ)

日本最高峰のトップリーグが8月26日、開幕。いまの日本代表の最年長選手である大野均も、昨季準優勝した東芝の一員として27日のオープニングゲーム(東京・秩父宮ラグビー場でクボタと対戦)を見据える。

大野は日本代表歴代最多の98キャップ(テストマッチ出場数)を誇る38歳。出身地である福島県郡山市の日大工学部キャンパスで楕円球と出会うや、シンデレラストーリーを歩んできた。身長192センチ、体重105キロという体躯と献身的な資質が持ち味で、朴訥な人柄と酒豪ぶりから人気も高い。

今季は日本で発足したサンウルブズの一員として、国際リーグのスーパーラグビーでプレー。秋から就任予定のジェイミー・ジョセフ日本代表新ヘッドコーチからも、高い期待をかけられている。

4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控え、日本ラグビー選手会は国際的プレーヤーの試合出場時間の調整を協議中。そんななか、代表活動を含め多くの試合をこなす大野が異色の見解を示した。

取材に応じた8月12日は東京・東芝グラウンドでサントリーとの練習試合に途中出場。14―40と大敗していた。

以下、一問一答(全て当方質問。編集箇所あり)。

――きょうの試合を振り返って。

「大差で負けたのは悔しいですよね。ただ、個人としては東芝の一員として試合に出られた。まず、ほっとしている部分もあります」

――スーパーラグビーのシーズンが終わった7月下旬以降、どう過ごされましたか。

「まず1週間の休みをもらって、その後は東芝の網走合宿に行かなかった組(サンウルブズでプレーした選手など)と一緒にコンディションを整えて、合流は今週からですね」

――今年はこれまでサンウルブズや日本代表での活動に専念。その1週間前の「合流」が、季の東芝の選手としての第一歩です。

「やることが非常に明確になっていた。東芝のラグビーを皆が理解している。その理解度に早く追いつけるようにしたいです」

――スーパーラグビーを終えて、初めてのシーズン。

「周りの方にはスーパーラグビーを戦った選手として観てもらえる。それに恥じないプレーをしたいですね。これは、日本代表として…というのと同じですけど」

――選手会が、国際的プレーヤーの試合出場時間の調整を議論していますが。

「コントロールしてもらえるのはありがたいです。もちろん、『この日は休まなければいけない』と決まれば、切り替えて休みます。ただ、自分としてはチームの試合があれば、できる限り出たいな、というのが正直な気持ちです」

――1年中、ハイレベルなゲームに出続ける。想像するだけで大変そうなのですが。

「もしかしたら、20代前半であれば『しんどい』と思うのかもしれないです。ただ、ずっとこういう生活(年中、試合や合宿などに参加する日々)をしてきて、もうあと何年現役でプレーできるかわからないなかで…。自分としては1試合でも多く出たいな、と」

――年齢を重ねたいまだからこそ、試合は休みたくない。

「そうですね。そういう思いがあるから、ずっとこうしてきているんですけど」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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