北海道の「札幌(サッポロ)」ってどんな意味!? アイヌ語地名の由来を知れば、もっと旅行が楽しくなる!
北海道旅行をしていると札幌(さっぽろ)を筆頭に、倶知安(くっちゃん)や長万部(おしゃまんべ)など、本州以南では聞き慣れないリズムの地名が多い。それは、北海道の地名の多くがアイヌ語に由来しているもので、こうした地名は北海道の市町村名の8割にのぼる。
北海道最大の都市といえば札幌市で、その人口は196万人にも及ぶ。この札幌の地名は、アイヌ語の「サッ・ポロ」や「サリ・ポロ・ペッ」に由来するという2つの説があるが、それが何を意味しているのか読者のみなさんは考えたことがあるだろうか。アイヌの人たちの多くは川の近くに住んでおり、そこで生活に必要な物資を集めていたことから、北海道のアイヌ語地名は特に川に由来するものが多い。
札幌市の由来とされる「サッ・ポロ」は「乾いた広いところ」を意味しており、「サリ・ポロ・ペッ」は「大きな湿地のあるところ」を意味している。ここまで書くと間の鋭い読者の皆さんはお気付きかもしれないが、これらは札幌市の中心部を流れている豊平川のことだ。「乾いた広いところ」を意味する「サッ・ポロ」は豊平川の乾いた扇状地のことで、「大きな湿地のあるところ」を意味する「サリ・ポロ・ペッ」は石狩川と合流する豊平川下流部の湿地帯のことだと言われている。
なお、札幌市は豊平川が形成する扇状地に建設された都市である。札幌駅から新千歳空港行の快速エアポート号に乗ると次の停車駅の新札幌駅までの間に豊平川にかかる鉄橋を渡るが、その時に車窓が一瞬開け豊平川沿いに立ち並ぶビルを見ることができる。
ちなみに、冒頭部で例に挙げた倶知安は、「くだの(ようなところ)を・流れ出る・ところ」を意味する「クッ・シャン・イ」が転訛し、「クッチャン」となり「俱知安」の漢字をあてたもの。この「クッ・シャン・イ」は町内を流れる倶登山川のことだ。長万部については、「川尻が横になっている所」を意味する「シャマンベ」に由来する説と、「川口に蝶が集まっている所」を意味する「オ・サマンぺ」に由来する2つの説があるがいずれも町内を流れる長万部川を意味している。
いずれにせよ、北海道旅行の際には、アイヌ語由来の地名からその意味を読み解き、その地名が指している由来の川などにも興味を向けてみるとより北海道旅行が楽しくなるのではないだろうか。
(了)