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【ゴルフ】方向より距離感 3パット率を下げるために大切なこと

野洲明ゴルフ活動家

「パッティングで一番大事にしているのはスピードだ」by ジョーダン・スピース

ジョーダン・スピース:1993年生まれ。マスターズなどメジャー3勝を挙げているパターの名手。上記の言葉は「どれぐらいボールのスピードを出して距離感を合わせるか、がポイント」という意味。

3パット率

よくゴルフでは「ドライバーショットも30センチのパットも同じ一打」と言われたりする。ドライバーショットと誰でも入る30センチのパットを同じとするのはおかいしいとも言えるが、スコアに直結するパットが大事であることはいうまでもない。

グリーンに乗ったら基本2パットで行きたい。しかし、多くのゴルファーにとって2パットでカップインすることは容易ではないようだ。

アメリカ、PGAツアーの公式データに採用されている「SG(ストローク・ゲインド)指標」の生みの親であるマーク・ブローディ氏の著書「ゴルフデータ革命」には、ツアープロ、スクラッチプレーヤー(※)、平均スコア90ゴルファーの、距離ごとの3パット率が記載されている。それを見ると、15フィート(約5メートル)より長くなると、平均スコア90ゴルファーはツアープロの3~4倍の確率で3パットをしていることが分かる。

※スクラッチプレーヤー:ハンディキャップが「0」のプレーヤーのこと。パープレーでラウンドするスキルがあるゴルファー。

出典:ゴルフデータ革命(プレジデント社)
出典:ゴルフデータ革命(プレジデント社)

方向よりも距離感を優先

方向を気にし過ぎると距離感を出しにくくなる

多くのゴルファーは「どれぐらい左右に曲がるのか」「まっすぐクラブヘッドを動かす」といった、ラインや方向に気を取られて、距離感を出しにくくなり3パット率が高くなっているようだ。

パットでは、多少方向がずれてしまったとしても、ショットのように左右に大きくそれることはない。対して、倍の距離打ってしまったり、半分しか打てなかったりといった縦に大きくズレることはある。ということは、距離感を優先することを念頭に置くべきと言える。

ツアープロも1パット率は高くない

ツアープロの8フィート(約2.5メートル)からの1パット率はどれぐらいかお分かりだろうか。実は50%。20フィート(約6メートル)で15%だ。もっと高確率でカップインしているように思われがちだが、ツアープロでも、短めの距離からでも1パット率は高くない。

出典:ゴルフデータ革命(プレジデント社)
出典:ゴルフデータ革命(プレジデント社)

1パットでいけるかもしれない距離でも、欲張らずに距離感を合わせることを優先して2パットを目指してほしい。ツアープロでもそうは入らない距離から狙いに行ってしまった結果、3パットになってしまってはもったいない。そういう心構えでいた方が、結果的に1パット率が高まる期待が持てる。

方向を安定させる練習は普段行う

狙った方向に打ち出すためのストロークの練習は普段の練習で行いたい。アドレスや、ボール位置、リズムやテンポなど、方向を安定させるためのポイントを、自宅やゴルフ練習場のパッティング練習コーナーなどで整理しておけると、コースラウンドで距離感に集中しやすくなる。

<関連情報>
3パット率について(GOLFERS SUPPORT)

ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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