1試合に左右両打席でホームランを打ち、そのうちの1本はランニング本塁打。この組み合わせは史上初!?
4月8日、「6番・遊撃」として出場したエリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)は、5回裏と7回裏にホームランを1本ずつ打った。
1本目は左打席、2本目は右打席からだ。
1本目の打球は、センターのフェンスを越えていった。2本目の打球は、方向こそ1本目と近かったが、ライン・ドライブを描き、フェンスのかなり手前でバウンドした。前方へダイブしたサル・フリーリック(ミルウォーキー・ブルワーズ)のグラブがわずかに届かず、ボールは後ろへ。デラクルーズは、快足を飛ばし、ホームまで戻ってきた。ランニング本塁打だ。
なお、これまでの記事では、フレリックと表記していたが、フリーリックのほうが発音に近い気がするので、今後はフリーリックとする。
通算536本塁打のミッキー・マントルは、両打席ホームランを10試合で記録し、ランニング本塁打は6本打っている。だが、ランニング本塁打を含む両打席ホームランは、一度もなかった。史上最多の14試合で両打席ホームランを記録した、マーク・テシェーラとニック・スウィッシャーも同様だ。テシェーラのランニング本塁打は0本、スウィッシャーは1本だった。
ただ、1試合に左右の両打席からホームランを打ち、そのうちの1本がランニング本塁打は、史上初ではない。イライアス・スポーツ・ビューローによると、1961年以降、デラクルーズが6人目だという。モーリー・ウィルスが1962年5月30日のダブルヘッダー1試合目、ウィリー・ウィルソンが1979年6月15日、デボン・ホワイトが1992年6月1日、ケン・カミニティが1994年7月3日、カルロス・ギーエンは2004年5月31日に記録している。
1960年以前を調べたところ、ランニング本塁打を含む両打席ホームランを記録した選手は、見つからなかった。
デラクルーズの前の5人のうち、カミニティは、両打席ホームランが10試合、ランニング本塁打は4本ながら、ウィルスとウィルソンの両打席ホームランは1試合しかなく、ホワイトとギーエンのランニング本塁打は1本だけだ。カミニティは、1994年7月3日に、最初の両打席ホームランと最後のランニング本塁打を記録した。
パワーとスピードを備えるデラクルーズなら、2度目もあり得そうな気がする。現在の年齢は22歳だ。