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那須川天心、亀田興毅を「挑戦者の気持ちで最初から倒しにいく」と宣言

木村悠元ボクシング世界チャンピオン

キックボクシング界の神童那須川天心(20)とボクシング元世界3階級王者亀田興毅(32)が、AbemaTVの特別企画で対決する。

試合は6月22日(土)午後7時に行われる。試合のルールなどの詳細は後日発表となる。

異例の対戦が実現した訳

異例の対戦が実現した。今回の試合の経緯としては、那須川天心への挑戦者決定トーナメントを観た亀田が、自身のSNSを通じて「俺が天心選手とやってたらよかったな」と発言。

それに対しAbemaTVが両者にオファーし、両者が承諾したことにより、今回の対戦が実現した。

両選手のコンディション調整もあるため、1ヶ月後の対戦となった。試合のルールは、安全面に配慮したAbema特別ルールとして、後日発表される。

今回の記者会見では、初顔合わせとなる両者が、試合に向けての意気込みや、お互いの印象を語った。

亀田側から天心の印象

お互いに挑発は無く、リスペクトが感じられた。

亀田は、「年齢も一回り違うし、階級も違う。しかし、今回の企画を通して、格闘技界を盛り上げていけるなら面白い」と抱負を述べた。

天心の実力に対しては、一目置いているようで、ボクシングのレベルも高いと感じている。

試合まで、あと1ヶ月ほどになるが、大好きなハイボールを我慢して、一生懸命準備すると報道陣の笑いも誘った。

また、「自信がなかったらここには来ない、プロである以上それなりの体を作らないとカッコ悪い」と、トレーニングも既に始めているようだ。

現在はロードワークを開始して、これから徐々に本格的なボクシングのトレーニングに移っていく。

実践のスパーリングも準備して、最後まで追い込んでいくようだ。

試合ではしっかり、亀田のボクシングを見せられると、自信はあるようだった。

また試合当日には、父親の亀田史郎氏がセコンドにつくようで、

「これが自分の中で本当に最後、親父と一緒に戦えたらいい」と、試合への意気込みを語った。

全てスタッフ撮影
全てスタッフ撮影

天心側から亀田への印象

天心には、先日の試合後に話を聞いていた。亀田についての印象は、「良くも悪くも日本の格闘技を盛り上げてきた存在」と語っていた。

実際に今日はじめて、向かい合ってみての印象は、「若い時のヤンチャなイメージと違い、思った以上に紳士的」と、話していた。

試合の意気込みについては、天心も「やるからには、全力で倒しに行く」と答えた。現在6月に試合を控えているので、そこから本格的な準備をするようだ。

天心は、過去に亀田興毅に勝ったら1000万企画に応募した経緯がある。しかし、その時は年齢制限で、出場を断念。

今回の企画の反響は物凄いようで、普段の試合の時以上に多数の連絡が来たり、SNSでの影響力も大きいようだ。

そして、格闘技を盛り上げるために、色々な事にチャレンジしていきたいと語った。

今回は亀田が天心にチャレンジする形ではあるが、天心は「挑戦者の気持ちで最初からいく」と語った。

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競技を盛り上げていきたい想いは同じ

この企画でポイントとなるのは、「天心がボクシングでどのくらい戦えるか」だ。

亀田は、1年ほど前に元王者のポンサクレックと復帰戦を行った。その時の試合を観たが、パワフルさが増して、全盛期に近い強さを感じた。

プレッシャーから解放され、戦うことを楽しんでいるようだった。亀田は天心のボクシングの実力を測るのに、最適な相手となるだろう。

天心は前回の1000万企画で、元世界王者やアマボクサーに対して、ボクシングでも高いポテンシャルを発揮している。

それを観た亀田は、「天心はしっかりトレーニングすれば、デビュー戦で世界ランカーに勝って、2戦目で世界タイトルができるレベルにはある」と話した。

亀田も今回の企画で自分の力を試したいのだろう。天心を観て、まだ燃え尽きてない自身の闘争本能に火がついたようだ。

万全のコンディションに仕上げてくるだろう。互いに立場や肩書きは違うが、格闘技(ボクシング)を盛り上げていきたいという思いは強い。

亀田は天心に対して、ボクシングに対する厳しさを教えると言ったが、拳を交える事で、伝えることが出来るメッセージもある。

まだ若い天心に、自分の経験や思いを伝えていきたいのだろう。

今回の企画には、賛否両論があるが、この企画を通して、ボクシングや格闘技を知ってもらい、ファン獲得に繋がる機会になることを願う。

お互い批判を覚悟で戦っているので、その生き様に敬意を称したい。

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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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