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【英会話】We celebrated him って言ったら、首を振られた。なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほど仕事で英語を話していますが、Native English Speakerってホントに人とモノを区別するんだなと感じることがよくあります。
 おれが間違ってるかもしれないけど をI may be wrong と言ったら、My opinion may be wrong と修正されたり、

今日は調子が悪い をI'm stupid today と言ったら、My brain isn't working today と修正されたりする。
 はじめの文は、わたしと私の意見を区別するわけですが、あとの文に至っては、わたしと私の器官まで区別してるわけで、さすが「Je pense, donc je suis(私は考える、ゆえに私は存在する)」の西洋文化です。私の精神と私の躰(からだ)は別ものなんですね。

 私自身は大学で現代思想(哲学)を修めたんでそんなに苦労せずに使ってるんですが、それでもたまに足元を掬(すく)われることがあります。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと人とモノを切り分けて自然な英語を得られるお得なエッセイです。

そいつをお祝いしたんだよ

 ちょっと前のことになりますが、大学からの友人が結婚しました。だいぶ晩婚でして、40代後半の結婚です。モテなかったってわけじゃないんですが、まぁ、最後のモーレツ社員の世代なんでしょうか、名の知れたメーカーに就職して社長賞を2回ももらうくらい頑張ってたんで、結婚しそびれた口(くち)。極楽トンボに生きて来たわたしなんかと違って頭が下がる。真面目ないいやつなんです。

 そんな友人が50を前にして結婚するってんだから、もう一人の大学からの友人と一緒にちょっと遅いstag party (独身最後の男だけの呑み会のことです)をやったんですが、大学生になったみたいにいいおっさんたちが吞みましてね、次の日の昼頃、Richとミーティングしたら、すぐにこう言われた。

You must be excessive yesterday night. (お前、昨日の夜やりすぎたろ)

 それには間違いないんですが、昨日の夜までじゃないんで、こう返す。

No, this morning.

 Richあきれ顔で、なにかあったのかい? って聞いてくれたんです。いい歳してオールなんてどうしたんだろうって心配してくれた。
 でも、原因は悪いことじゃないですからね。実は、大学からの友人が結婚することになったから、お祝いしたのさ のつもりで、

We celebrated him.

って言ったら、ばっさりRichに首を振られました。そして、人とモノってヒントをくれる。

 枕を振っていますから、みなさんなぜかわかりますね。

 そう、お祝いするのは、友人ではなく友人のめでたい報告です。ここでも、人とモノを分けて考えるんです。Native English Speakerって奴らは。普段は、できるだけ区分けして英語を話すようにしてたんですが、ちょっとアルコールのせいでざっくり話して、足元を掬われました。

 あっと思って、

We celebrated his good news.

と言うとRich、ニッコリ。二日酔いでも頭働いてるじゃんと褒められました。

 英語を話すときは、細かく切り分けて詳細な主語・目的語を心掛けてください。コツですよ。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 でも、なんかモノをお祝いするってぴんと来ないなぁ~、感情がこもらないなぁ~という方もおられると思います。そういう時は、お祝いする の方を細かくしちゃうといいんです。たとえば、

We congratulated him on his good news. (そいつに結婚報告のお祝いを言ったよ)

なんてどうでしょう。参考にしてください。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスターし、学芸大附属・ICU高校・早稲田高等学院・慶応高校・渋谷幕張・早稲田大学・慶応大学など有名高校・大学に多くの生徒を合格させる。その実績を買われ、英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職。担当した1600名の受講生のVERSANTのスコアの平均伸長点は5.3を超え、3か月の最高伸長点は21を記録する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任し、受講生の英会話力向上に尽力し、業績を伸ばす。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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