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今年の「チーム三冠王」は3人。広島東洋の鈴木誠也と福岡ソフトバンクの柳田悠岐と…。各球団の部門別1位

宇根夏樹ベースボール・ライター
柳田悠岐(左)と鈴木誠也 JULY 31, 2021(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今シーズン、打率、本塁打、打点の3部門とも球団トップの選手は3人いた。広島東洋カープの鈴木誠也と福岡ソフトバンク・ホークスの柳田悠岐に、北海道日本ハム・ファイターズの近藤健介がそう。鈴木は3年連続、柳田は2年連続だ。

 この3人は、出塁率とOPS、二塁打も球団トップ。近藤の場合、ホームランは自己最多ながら11本に過ぎないが、二塁打はパ・リーグ最多の37本――こちらも自己最多――を記録した。鈴木の二塁打はセ・リーグ10位タイの26本、柳田はパ・リーグ2位タイの36本。鈴木は、9盗塁も広島東洋では最も多く、野間峻祥曽根海成と並ぶ。

 一方、阪神タイガースと埼玉西武ライオンズは、打率、本塁打、打点のいずれも違う選手がトップに位置した。他の7球団は、本塁打と打点のトップが同じ選手で、打率トップは別の選手だ。

筆者作成
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 なかには、リーグ2位にもかかわらず、その上にチームメイトがいて、球団1位ではなかった選手もいる。坂倉将吾(広島東洋)の打率.315、近本光司(阪神)の24盗塁、杉本裕太郎(オリックス・バファローズ)のOPS.931は、リーグでも球団でも2位だ。言い換えると、同じチームの選手がリーグのトップ2を独占した。また、セ・リーグの二塁打は、横浜DeNAベイスターズの選手がトップ3に並んだ。上から順に、桑原将志が39本、牧秀悟が35本、佐野恵太は34本。33本の近本を挟み、3人のチームメイトである宮﨑敏郎も、32本の二塁打を打って5位に位置した。

 なお、12球団中、中日ドラゴンズだけは、出塁率.350以上もOPS.800以上も皆無だ。昨シーズンは大島洋平高橋周平が出塁率.350以上、それぞれセ・リーグ6位と9位の.382と.368を記録したが、OPS.800以上は2年続けて誰もいない。それでも、昨シーズンはOPS.700以上が4人いた。今シーズンは.766のダヤン・ビシエドだけ。規定打席以上の他3人は、いずれも.700に届かなかった。

 昨シーズンの各球団1位については、こちらで書いた。

「各球団トップの打者たち。柳田悠岐と鈴木誠也は「三冠王」。打率.250以上がいない球団も」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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