最強台風2号は週末に日本の南海上へ。その後の動向はジェット気流が鍵を握る
最盛期を迎えている台風2号
速報値ではありますが、台風2号は4月最強の猛烈な台風となり、中心気圧は一時900hPa未満まで下がるなど、年間を通しての台風としても顕著な発達を遂げました。
中心気圧が900hPa未満まで下がる台風は、2016年台風14号以来5年ぶりとなります。
タイトル画像にある通り、きょう19日(月)午前6時の雲の様子をみても、引き続き、台風の中心付近には明瞭な眼が見られ、雲に関する情報では、この眼の周辺は雲頂高度16000メートル以上の活発な積乱雲が取り巻いていることがよく分かります。
沖縄の南で転向し、週末に日本の南海上へ
台風2号はきょう19日(月)午前6時現在、中心気圧900hPa、最大風速60メートル、最大瞬間風速85メートルの猛烈な勢力でフィリピンの東海上をゆっくりと北上しています。
今後は海水温の低下とともに徐々に衰えながら北上し、22日(木)から23日(金)にかけて、北緯20度付近に到達する頃から東寄りに転向し、24日(土)には沖縄の南から日本の南海上へ移動するものと思われます。
台風は衰えるとは言っても、沖縄の南ではまだ強い勢力を維持している予想で、海は大しけとなるのはもちろん、予報円の北寄りに進むほど沖縄では風も強まりそうですから、警戒が必要です。
そして週末に日本の南海上へ進んだ後の進路の鍵を握るのは上空のジェット気流です。
ジェット気流は本州付近まで南下
上図は上空9000メートル付近の強風の状態を予想したもので、オレンジ色に着色された部分はより強い西風、ジェット気流が吹いている所に相当します。
台風2号が日本の南へ進んできているであろう25日(日)午前9時の予想をみると、本州付近と台風の前方により西風の強い部分があるのが分かります。
台風はこの強い西風に逆らって北上することはほぼ不可能ですから、台風2号が日本の南海上から本州付近に北上してくる可能性はかなり小さい(ほとんどない)ということが察知できます。
とは言え、このジェット気流の予想自体が変わることもあり、もしそうなれば台風2号の進路予想にも影響してくることになりますので、沖縄や小笠原諸島を中心に、今後も最新の台風情報に注意して頂きたいと思います。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)