東京でも「木枯らし1号」の発表か そのあとは暖気のち再び寒気
冬型の気圧配置
オホーツク海で低気圧が発達し、日本付近には西高東低の冬型の気圧配置となって、強い寒気が南下しています(図1)。
11月20日(水)は、日本上空を通過している寒気の影響で、北~東日本の日本海側では雪や雨が降り、雷を伴う所もあるでしょう。
北海道を中心に猛ふぶきとなる所もありますので吹き溜まりや視程悪化による交通障害に注意してください。
関東地方でも強い風が吹き、東京でも平均風速が毎秒8メートル以上となる可能性があります(図2)。
「木枯らし1号」のお知らせ
晩秋から初冬にかけて、木の葉を吹き散らす北よりの冷たい強風を木枯らしと言います。凩とも書きます。
冬の季節風の先陣であり、木枯らしが吹くときは、冬支度の始めるときと言われます。このため、気象庁では、その年に初めて吹く木枯らしを「木枯らし1号」として、近畿地方と島嶼部を除く東京都(東京地方)だけにお知らせを発表しています。
「木枯らし1号」のお知らせは、問い合わせが多いことから始めた気象庁のサービスで、近畿地方と島嶼部を除く東京都(東京地方)だけの発表です。
問い合わせが多いことから始めたサービスで、「春一番」など防災の要素が強い情報とは少し違うものです。
令和元年(2019年)11月4日、大阪管区気象台気象防災部予報課は、「本日、近畿地方で木枯らし1号が吹きました」とのお知らせを発表しました。
近畿地方の「木枯らし1号」の発表基準は、次の4点です。
・霜降(10月23日頃)から冬至(12月22日頃)までの期間。
・西高東低の冬型の気圧配置になっている。
・西北西から北北東の風(北よりの風)で、最大風速が秒速8メートル以上を観測した近畿地方の気象台・特別地域気象観測所が3地点以上(大阪・神戸・彦根・奈良・和歌山・京都・舞鶴の7地点のうち3地点以上)。
・発表時刻は9時から17時の間(従って15時までの観測データを利用)。
ただ、11月4日に最大風速が秒速8メートル以上を観測したのが、彦根(9.2メートル)と和歌山(8.2メートル)だけで、3地点以上にはなっていません。
神戸(7.8メートル)と舞鶴(7.8メートル)がほぼ基準を満たしているとしての発表でした。
東京地方の「木枯らし1号」は、気象庁予報部予報課の天気相談所がお知らせを発表していますが、東京地方の発表基準の考え方は、近畿地方の発表基準の考え方とは少し違います。
西高東低の冬型の気圧配置というのは同じですが、「10月半ばから11月30日までの期間」、「東京(千代田区)で北から西北西の風で毎秒8メートル以上」というのが発表基準です。
令和元年(2019年)は、これまで「木枯らし1号」が吹いていませんが、11月20日は西高東低の冬型の気圧配置で、北から西北西の風が吹きます。
もし、風速が8メートル以上であれば「東京地方で木枯らし1号」ということになります。
【追記(11月20日14時)】
東京の11月20日は、14時までの最大風速が毎秒7.2メートルで、「木枯らし1号」の基準には達しませんでした。
今後は風が弱くなりますので、東京地方の「木枯らし1号」の発表は11月20日から先送りになるになりそうです。
ただ、羽田空港では12.6メートル、八王子では10.7メートルの最大風速をすでに観測していますので、都内の一部では「木枯らし」と呼べるものが吹いています。
暖気が入って全国的に高温
北日本で上空の寒気が抜けたあと、西日本から大きな移動性高気圧に覆われて晴れる所が多くなる見込みです。
この移動性高気圧の周辺を周るように、南から暖気が入りますので、北日本を中心に、ほぼ全国的に気温が高くなります。
しかし、週末は北・東日本を中心に再び強い寒気南下で一気に寒くなります。
札幌では、週前半の最高気温が5度以下であったものが、週半ばには15度近くまで暖かくなり、週後半には再び5度以下に下がります(図3)。
そして、しばらく気温の低い日が続きます。
東京も、週前半の最高気温が15度以下であったものが、週半ばには20度を超え、週後半には再び15度以下に下がります(図4)。
そして、しばらく平年並みの気温の日が続き、晴天の師走入りとなります(図5)。
とはいえ、気温が平年より高い日が多かったことから、平年並みといっても、体感的には寒く感じる日が続くといえるでしょう。
寒暖差の大きな1週間ですので、気象情報に注意し、着脱しやすい暖かい服装での外出など、健康管理に注意してください。
タイトル画像、図2、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図3、図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。