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ホークス村松コーチ喜ぶ! 「初」1番起用の金子将が10戦連続安打

田尻耕太郎スポーツライター
村松コーチ(左)と金子将

先発小澤は5回3失点

8月13日、タマスタ筑後での3軍戦。ホークスは四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で高知ファイティングドッグスと対戦した。

【8月13日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 930人】

高知     000210000 3

ソフトバンク 000110000 2

<バッテリー>

【FD】松本、嘉数、平良――浅野

【H】小澤、児玉、山下、野澤、吉本――張本

<本塁打>

なし

<戦評>

ホークスは競り負けた。先制を許した直後の4回裏に9番堀内のタイムリーで反撃。突き放されるも5回裏は8番谷川原の犠牲フライでまた反撃した。その後6回は1番金子将、7回は5番黒瀬がイニング先頭打者で二塁打を放つも、決定打を欠いて敗れた。

先発の小澤は最速149キロをマークするも、中盤に味方のミスもあり粘れなかった。

高知は4番のザックが2打席連続タイムリー。リリーフの平良が最速149キロの剛速球を柱に2回を零封した。  (了)

金子将太「理想の選手像は中村晃さんです」

背番号134の育成選手
背番号134の育成選手

入団時に「ダイヤの原石?!」として紹介した、育成2年目の金子将太。

14日の高知戦で「プロに入って初めて」という1番打者で起用され、二塁打を含む2安打と期待に応えてみせた。

「高校時代以来、久しぶりの1番打者。楽しかったです」

初回の打席では9球粘り、トップバッター的な働きを見せた。しかし、基本は積極打法だ。その打席も第1ストライク以外はすべてバットを出してファウルにした(結果中前ヒット)。2打席目から5打席目まではすべて初球打ちだった。

「ボールがよく見えるんです」

この日で連続試合安打を10に伸ばした。

3軍制を生かし、実戦経験を積む

明るいキャラクターも魅力
明るいキャラクターも魅力

「自分の間合いに、相手を引きずり込むことが出来ている。ボールもしっかりと引きつけることができています」

7日の徳島戦では5打数4安打。その活躍を買われて、佐々木誠3軍打撃コーチが1番起用を決めた。

この日の試合前、「今日初めて1番なんですよ。注目してあげてください」と教えてくれたのは、外野守備走塁を担当する村松有人コーチだった。現役時代に通算270盗塁(盗塁王1度)、ゴールデングラブ2度に輝いたかつての名選手に指導を受けながら、守備と走塁のレベルアップも図っている。

「やらなきゃいけないことはまだまだありますよ。まずは2軍の上林や真砂のレベルまで達さないと2軍の試合にも出られません。ただ、3軍があることでたくさんの試合経験を積むことが出来ています。5回の守備で、センター前ヒットで一塁走者を三塁まで進めてしまいましたが、あのような守備ではダメ。だけど、それも試合の中だから経験できる。状況判断はただノックを受けるだけではなかなか上手くなりませんから」(村松コーチ)

厳しい言葉を並べるが、それも愛情と期待の裏返しだ。

母校・大間々高校のために

金子将は「理想の選手像は中村晃さん。簡単にアウトにならない。すごいバッターだと思います」と目を輝かせる。

また、出身の大間々高校が危機を迎えている。金子将が在学時代でさえ「公式戦で1勝もできなかった」。そんな高校からプロが出たこと自体が驚きだったが、「自分が活躍して名前を広めたい」と意気込んでいた。しかし、今夏の県大会は部員不足で出場を辞退。そして新チームはわずか部員3人だという。九州での活躍を、故郷の群馬まで届けるためにも、さらに打ちまくり、走りまくり、堅実な守備でアピールを続けていくしかない。  (了)

珍事! 野手足りずにブルペン捕手緊急出場。投手が4,5番に

4番に入った山下。粘りを見せた
4番に入った山下。粘りを見せた
吉本が結局最後の打者に・・・
吉本が結局最後の打者に・・・
珍しいスコアボード
珍しいスコアボード

13日の試合で、ホークス3軍に珍事が起きた。

もともと野手9人で臨んでいたのだが、試合途中で4番幸山と5番黒瀬が体調不良を訴えて交代。この日の福岡は高温注意情報が発令されていた。

7回には黒瀬に代わって代走出場したのが、ブルペン捕手の前田翔だった。

さらにDHを解除しただけでは選手が足りず、投手の山下亜門がレフトを守り4番、リリーフの吉本祥二が5番に入った。最終回はその2人に打順が回り、2者連続三振でゲームセット。それでも山下は149キロの速球に食らいつき、14球を投げさせる粘りを見せた。

14日も高知戦(タマスタ筑後)が行われるが、野手が足りずにチームスタッフが出場する見込みだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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