豊かな香りと大人の旨味が上品な「伊勢かぶせ茶あん」をたっぷり巻き込んだ銀座に志かわさんの月初め食パン
パンと和菓子、どう関係あるの?と思った方。すみません、私の好みです…が、きちんとこちらには理由があるのです。
今回は和菓子と非常に深い関わりを持つ食材、お茶です。しかし、紅茶でも抹茶でもなく「かぶせ茶」というお茶を使用したあんこを包んでいるのです。
かぶせ茶とは文字の如く、茶葉が数枚開いてから収穫までの約2週間覆いをして日光を遮るという製法のお茶です。ちなみに玉露は約20日間で煎茶は収穫まで日光に当てて育てます。更にかぶせ茶の生産量日本一は三重県、今回の月初め食パンに使用されているのも勿論三重県産です。
上品で口当たりの柔らかな旨味と渋みが丁度良いバランスのかぶせ茶を白餡とあわせたらどうなるのか。今回は高級食パンの名店のひとつとしての地位を確立し、海外でも展開する「銀座に志かわ」さんから、毎月1日~10日の間に販売される限定品「月初め食パン 伊勢かぶせ茶あん」をご紹介。
今回気になったのは、銀座に志かわさんの食パンのとある特徴。というのも、高級というだけありこちらの食パンにはパターや生クリームを贅沢に配合しているのです。そのためそのままでもトーストしてもまろやかな甘味と優しい口当たりも人気の理由だとか。わかります。
そこへ紅茶、ではなく、かぶせ茶をあわせてはお茶の清涼感やすっきりとした旨味はぼやけてしまうのではないかと思ったのですが、とんだ杞憂でした。
はちみつや生クリーム、そして絶妙な水の加減などにより耳まで柔らかく、ふるふるっとした食感と自然に馴染むかぶせ茶あんは、まるでお菓子のよう。海外の方にも人気が出そうな気がします。
驚いたのが、トーストした時の変化!トーストすることにより茶葉の香り立ちは一層強まり、サクッとした軽やかさが耳の奥に響いたと思ったら鼻腔へすーっと流れ込んでくる高級感のあるお茶らしさ。それがお茶のもつ渋みや苦味という個性なのではないでしょうね。スイーツではなく、しっかりお茶です。
少しだけバターを塗ると、その塩気がパンとかぶせ茶あんの甘味をより一層引き立てると同時に、細かく刻んであんに混ぜ合わせた茶葉の存在感も底上げしているのから意外な発見。
伊勢かぶせ茶あんはたっぷりと巻き込まれているものの、そこに頼ってあんは多すぎず品のある仕上がり。1斤で消費期限は4日ではありますが、贅沢に切って食べてねとお渡ししたいなと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<銀座に志かわ・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座1-27-12 キャビネットビル 1F
10時~18時
不定休