「ゆとり」だけどフワフワしてない!エンタメ界を引っ張る「ハチハチ」世代って?
今週末公開される「ヒーローマニアー生活ー」は、さびれた地方都市を舞台に、町に蔓延る小さな悪を退治する「TSURUSHI-MA(つるし魔)」として立ち上がった4人のヘタレたちを描く物語。
正義漢だけどプータローでどん臭いリーダーの中津役を東出昌大、コミュ障の発明家で下着泥棒の土志田役を窪田正孝が演じていて(付け加えれば『バクマン!』のヒロイン、小松菜奈もメンバーで)、おおお、人気若手俳優共演!と思うのですが、このふたり、実は揃って88年生まれ。30代を目前にした彼らは、まさに今、映画やドラマなどで中心になっている世代ですが、88年生れは特に「空前の当たり年」と言われています。
たとえば男子ならば、大人世代からの認知度も抜群の東出昌大、出演映画が次々公開される窪田正孝の『ヒーローマニア-生活-』コンビに加え、ドラマ「ゆとりですがなにか」の松坂桃李、映画『ヒメアノ~ル』に出演の“auの金太郎”こと濱田岳、ドラマ「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」の瀬戸康史。女子ならば、映画『64ロクヨン』とドラマ「99.9% 刑事専門弁護士」の榮倉奈々、映画『オオカミ少女と黒王子』の菜々緒と、今月公開の映画や放送中のドラマで見られる人たちだけでこんなにたくさん。
それ以外にも、三浦翔平、黒木メイサ、新垣結衣、吉高由里子、戸田恵梨香、堀北真希、大島優子……と驚くべき顔ぶれ。実はスポーツ界でも、マー君こと田中将大投手をはじめすごい面々だらけなんだとか。
1988年生まれは、小学校入学の’95年に出たウィンドウズ95(感覚的な操作を可能にした初のウィンドウズ)により、完全なPC世代として宿命づけられた世代です。その一方で、中学校入学の’01年にはアメリカ同時多発テロを、成人式の’08年にはリーマンショックを経験し、政治や経済に頼れないことを刷り込まれた世代でもあります。そして就職1年目には東日本大震災が起こり、人生の儚さも痛感したことでしょう。感覚的で合理的、マイペースだけどシビア、目標のために時を無駄にしない――「ゆとり世代」だけどフワフワしてない、そんな世代像がなんとなく見えてきます。
そして実は彼ら、最後の昭和(63年)生まれでもあります。この年生まれの男子から「昭和生まれでよかった」と聞いたことがありますが、理由は「“平成生まれ”という言葉には、“子ども扱い”されている感じがあるから」だとか。周囲から“子ども扱い”されず育まれた「自分は子供じゃない」という意識が、彼らをデキる子に育てた最大の理由、なのかもしれません。
『ヒーローマニア-生活-』
5月7日(土」)公開
(C)福満しげゆき・講談社/映画「ヒーローマニア-生活-」製作委員会