FCバルセロナのファントークンが発売直後に完売!ついに始まった『スポーツ×トークンエコノミー』
FCバルセロナのファントークンが発売たった時間で完売、需要は6倍に!
日本のスポーツやスポーツビジネスの関係者に、ひとつのNewsが走った。
「バルサが、ついにファントークンを発行した! それも即日完売!!」
さる6月22日、FCバルセロナはファントークン(代替通貨)の初期販売をおこなったところ、即完売となった。販売した会社はChiliz.Net(チリズ)、現在多くのクラブをクライアントとしている。
今回のバルサトークンは約2時間で約130万米ドルを生み出したとされるが、需要は供給を5倍(600万ドル以上)と言われています。また販売網は世界106か国とされています。取り扱っているのはブロックチェーン・フィンテックプロバイダーであるチリズ(Binance: $ CHZ)は、FCバルセロナ($ BAR)以外にも多くのプロジェクトを進めています。投票や報酬を扱うアプリSocios.comとスポーツトークンの取引所Chiliz Exchangeなど今後も注目を浴びていますが、今後はどのようなビジョン、どのような展開が期待されるのだろうか。
「チリズ」のHPはこちら。
日本のスポーツチームでも研究
実はここ数年、筆者は研究や調査を重ねてきた。日経×慶應大学でのイベントでも自分企画としてセッション開催をさせて頂いたが、特に若い人の参加者が多く立ち見が出る状態だった。
今回のバルサトークンは日本側のスポーツ関係者の反響は想定以上に大きい。
グローバルを対象にセールから約2時間で130万ドルの売上を達成したこと、クラブ主催の投票イベントに参加するする権利の付与、他にもファンエンゲージメントなどのリワードが、その賞賛の対象となっている。
投票の権利やファンエンゲージメントの取り組みがうまく結びついたら、中長期的には新しいスポーツチームの収益に繋がる可能性もある。だが、このトークンの取り組み、日本のとあるスポーツチームが取り組んでいたが途中で頓挫した経緯がある。それは何故なのだろうか?
ブロックチェーンの観点、経済の観点
このスポーツトークン、トークンを発行する側のブロックチェーン技術者から厳しい意見が多い。
あるエンジニアはこう言う。
「日本国内だと、仮に出来たとしても取引所経由でのIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)という形になると思います。スポーツのファンサポーターに暗号資産取引所でトークンを売り買いしてもらう、そのUXがファンファーストではないですよね…」
ファンエンゲージメント以前の問題が大きく横たわっているのが日本の現状のようだ。また、経済の観点から指摘する研究者もいる。
「日本国内ではリーガルの問題があります。正直に言いますが、こちらはゴルフ会員権みたいなもので暗号資産にはならないように思います。そもそもの設計が弱い。鍵はリワード設計です」
リワード設計とはトークンを購入した際のユーザーメリットの設計を意味するが、確かにそれが投票権だけでは弱い。また、サスティナブルな発行にするためには最初から段階的なリワードの発表が必要だとも指摘する。前述の技術者もこう指摘する。
「いうならば会員権的なものでしょうね。まずは、法的な暗号資産にしないといけない。将来的に換金するのは取引所を通す。ただ、ユーザーはやりたくないし、取引所もやりたがらないのが現実です。例えば独自ポイントを買ってもらうという前払い支払い方式なども考えられます。今のままだだと開発コストも掛かりますし、カストディも引っかかる。金融庁とのやり取りも大変です。そもそも、このトークンを使って『何をやりたいか?』をもっと明確にしたいですね。法的建て付けも大事ですが、資金調達の発想では難しいです」
リーガルの問題含め、指摘の部分こそがかつてスポーツチームが計画を頓挫した理由かもしれない。また、今回の取材で明らかになったのはスポーツ側と技術者や設計者との温度差も微妙にあるようにも感じた。特にリーガルの問題をクリアしないと日本では難しく、これが国内での最大の課題である。
それでも取り組みを続けるスポーツチーム
だが、こういった現状でも取り組みを続けるスポーツチーム(前述のチームとは競技も別)も存在する。今回のコロナ禍とはまったく関係なく約1年前からリサーチや開発を重ねている。
今後もこの分野は継続して取材していきます。いずれ、すべてをOpenにした記事執ためリサーチを続けていきます。
(了)