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主な新興国/米国経済ニュース(3月25日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ビザなど2社、ロシア制裁の一環でロシア4行のカード決済を停止

米クレジットカード大手ビザ<V>とマスターカード<MA>の2社は、ロシアとの軍事衝突の危機に直面している旧ソ連のウクライナをめぐる米国の対ロシア経済制裁に従って、ロシアの4銀行が発行しているクレジットカードの代金決済サービスを停止した。ノーボスチ通信(電子版)が先週末に、ロシアの多くの銀行の話として伝えた。

これまで欧米の対ロシア制裁の対象はロシアのウラジーミル・プーチン大統領に近い政府幹部など一部に限定されていたが、今回の2社の決定は一般のロシア人のレベルにまで制裁対象が広がったことを意味している。

複数のロシアの銀行の話によると、クレジットカードの使用制限については2社から全く事前の連絡を受けておらず、クレジットカードによる代金決済は減少しているという。ただ、現時点ではカードによる預金の引き出しは影響を受けていない。ビザは、ロシア銀行とSMP銀行、ソビンバンク、インベストキャピタルバンクのロシアの4行のクレジットカードの代金決済について、オンラインや小売店での代金決済を停止しているとしている。

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ガルーダ・インドネシア航空、来月、130億円の株主割当増資へ

インドネシア航空大手ガルーダ・インドネシア航空は来月7日に、株主割当増資で1兆4800億ルピア(約130億円)の資金調達を実施する計画だ。ジャカルタ・グローブ(電子版)が24日に伝えた。

株主割当増資は、増資後の発行済み株式の12.48%に相当する32億2000万株の新株を1株当たり460ルピア(約4円)で、4月4日現在の株主に売却する。同社では割り当て後の4月8日にインドネシア証券取引所(IDX)に新株を上場する予定。

現在、政府が全体の株式の69.1%を保有しているが、政府は新株を購入せず、民間や外国の投資家が購入するため、増資後は政府の保有比率は低下する見通し。同社では調達した資金で、米航空・宇宙大手ボーイング<BA>の「B737」や欧州航空最大手エアバスの「A330」や「A320」のリース購入に充てる方針。また、同社は2億ドル(約205億円)の社債発行と同額の銀行借り入れも行う計画。

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アップル、CATV大手コムキャストとTV番組視聴で提携協議を開始

米IT大手アップル<AAPL>は米ケーブルテレビ最大手コムキャスト<CMCSA>とストリーミング形式のテレビ番組配信サービスで提携することを目指して協議を始めたもようだ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が23日に関係者の話として伝えた。

提携では、アップルがストリーミング動画配信に使われるデジタル機器としてセットトップボックスを製造し、コムキャストはウェブ上のストリーミング動画配信が混雑しないよう特別に配慮するというもの。協議はまだ始まったばかりで、合意に至るまでには乗り越えなければならない課題が山積している。しかし、実現すれば、ハイテク企業とケーブルテレビ会社による新しいテレビ視聴のスタイルが実現することになる。

また、アップルではテレビの生放送やオンデマンドによるテレビ番組の視聴とクラウド上でのデジタル録画を可能にすることで、従来のセットトップボックスに取って代わると見ている。

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ブラジル中銀週報:2014年IPCA、下方修正―政策金利は引き上げ

ブラジル中央銀行が24日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想したIPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2014年は前週予想の前年比6.11%上昇から6.28%上昇へ下方修正(悪化方向)された。下方修正は3週連続。1カ月前の予想は6%上昇だった。2015年の見通しも前週予想の5.7%上昇から5.8%上昇へ下方修正された。1カ月前の予想は5.7%上昇だった。また、次回4月1-2日開催の金融政策決定会合時の政策金利見通しについては11%に据え置かれた。据え置きは7週連続。

2014年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比1.7%増のまま据え置かれた。1カ月前の予想は1.67%増だった。2015年のGDP伸び率見通しについては前週予想の同2%増のまま据え置かれた。据え置きは4週連続。1カ月前の予想は2%増だった。

また、2014年末時点の政策金利見通しについては、前週予想の11%から11.25%へ引き上げられた。1カ月前の予想は11.25%だった。2015年末時点の見通しは前週予想の12%のまま据え置かれた。据え置きは6週連続。1カ月前の予想は12%だった。

為替レートの見通しは、2014年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.49レアルのまま据え置かれた。一方、2015年末時点では前週予想の2.54レアルから2.55レアルへ引き上げられた。

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ディズニー、ユーチューブ最大のMCNメーカー・スタジオズを買収

米娯楽・エンターテインメント大手ウォルトディズニー<DIS>は24日、米インターネット検索大手グーグル<GOOG>傘下の動画投稿サイト、ユーチューブと提携してユーチューブ上に複数の動画チャンネルを展開、また、短編動画を制作・配信しているメーカー・スタジオズを5億ドル(約510億円)で買収したことを明らかにした。

メーカー・スタジオズはユーチューブ上に5万5000件もの動画チャンネルのネットワークを展開しており、その1カ月間のページビューは55億ビューに達し、いわゆる、マルチチャンネル・ネットワーク(MCN)の最大手として知られる。

ディズニーはメーカー・スタジオズを買収したあともそのまま存続させる方針で、ディズニーのテレビや映画などの部門と相互協力関係を維持していく。また、買収は今春をメドに完了する計画で、メーカー・スタジオズの株主に対しては、業績目標の達成に応じて最大4億5000万ドル(約460億円)のボーナスを支払うとしている。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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