「最近何もいいことがない」と思う人が前向きに変わる「記憶の引き出し方」
「後ろ向き」なのは「記憶の引き出し」の問題
「何かいいことはないか」「もっと楽しいことはないか」と思いながら、人生を送っている人が大勢います。「何もいいことがない」「人生に刺激が足りない」と考え、どうすればいいんだろうと絶えず思いめぐらせている人もいます。しかし、そのように考えてばかりいる人に「何らかのいいこと」や「楽しい人生」が訪れることはありません。なぜなら、後ろ向きな人、ネガティブな人は「記憶の引き出し方」に偏りがあるからです。
仮に、「6個の良いこと」「10個の悪いこと」があったとして、「10個の悪いこと」ばかりを脳の記憶領域から引き出してばかりいれば、「悪いことばかりしかない」と思い込んでしまうもの。反対に、「6個の良いこと」ばかりを記憶から引き出す人は、「良いことばかりが起こる」と受け止めるのです。
自分の殻を思いっきり破ると、自然と笑えてくる
物事を過去の延長線上で考えていると、ストレスばかり覚えます。何か新しいことを実践してみようかと心に決めても「過去に失敗したことがある」とか「どうせ会社が許諾してくれない」などと考えてしまうものです。いつも「後ろ」を向いて自分のこれからの行動を評価・吟味する「思考のクセ」があると、何もスタートすることができません。今の場所に居座り続けることになり、人生に変化をもたらすことはできないでしょう。
「前向き」になるには、過去のことは一切考慮せず、未来だけを向いて思いを巡らせましょう。そして、大きな決断をします。そのときのポイントは思い切りのよさ。「笑える」かどうかの一点です。ある決断をしたあと、思わず笑ってしまったら、その決断は自分の人生を変えてくれる第一歩になるでしょう。
「この1時間の中で、10枚の見積書を作り終える!」(これまでは1時間かかっても見積書1枚書けなかったとして)
「3日以内にお客様100人へ絵葉書を書く」(これまではメールでしか連絡をとっていなかったとして)
「今日1日かけて、家の中の要らないものをすべて捨てよう!」(これまでは1年に1度も掃除をしていなかったとして)
作業密度を高めることで脳の基礎体力をつける
「今日中に、できる限りの見積書を作ろう」「重要なお客様に絵葉書でも出そうか」「要らないものをなるべく捨てたい」……。過去の延長線上で考え「自分が今やれることといったらこれぐらいだ」といった中途半端であいまいな決断だと、葛藤を覚え、ストレスを抱えるだけです。
実際にやってみましょう。これまでけっこう時間をかけて作っていた見積書を1時間で10種類、作成してみるのです。1日かけて、家の中のすべての要らないものを捨てるのです。やっている間、再び笑いがこみあげてくるでしょう。「冗談じゃない。コレ本当にできるんだろうか」「私、なんでこんなことやってるんだろう?」と自問自答しはじめてもいい。
バカバカしいと思いながらゲーム感覚でやります。結局、1時間で7枚しか見積書ができなくとも、台所にある要らないものだけしか捨てられなかったとしても、過去の自分ではできなかったことを成し遂げられたと気づくはずです。
その気づきが、再び自分に笑顔をもたらしてくれるはずです。「意外とやれるもんだ!」と思うことができれば、以前よりも前向きになれます。ポジティブに物事をとらえられるようになるでしょう。フェイスブックなどにその事実を投稿したら、きっと多くの「いいね!」をもらえるはずです。そうすると、さらに笑顔がこぼれてくるはずです。
自然とこぼれた笑顔の数が、後ろ向きな性格のあなたを前向きに変えてくれるはずです。小さなことで良いので、笑えてくるほど思い切った決断をして実行してみましょう。その一瞬の連続が、「記憶の引き出し方」を変えてくれるはずです。脳の基本回転数が上がり、脳の基礎体力がついてくるからです。