タオルとニットは一緒に洗わない!衣類をキレイに洗い上げる「洗濯分け」をしよう
洗濯研究家の平島 利恵です。
最近は洗濯機や洗剤の進化により、自宅で洗える衣類の種類も増えてきました。たくさんの洗剤が市販されていますが、洗剤の違いをご存知でしょうか?
洗濯はなるべく一度で済ませたい家事ですが、衣類によって洗い分けをすることで、
- 汚れがしっかり落ちる
- 蓄積汚れ・黄ばみを防ぐ
- 型崩れや色褪せを防ぐ
といったメリットがあります。特に下着・タオル・普段着とおしゃれ着は分けて洗うのが鉄則です。
今回は衣類に合わせた洗剤の選び方と、洗濯のコツを解説します。
皮脂・汗・食べこぼし・泥・ニオイを落とすならアルカリ性洗剤
アルカリ性洗剤は洗浄力の高い洗剤です。肌着やお子様の普段着などをしっかり洗いたいときやニオイ・黄ばみが気になる衣類に適しています。
液体より粉洗剤の方がより洗浄力が高いため、泥汚れや部活のユニフォームなどを洗うときに向いています。
ただし、おしゃれ着やデリケートな衣類を洗うと、色褪せや風合いを損ねる恐れもあります。ウールやシルクには使うことができません。
黄ばみ・頑固なニオイはつけ置き洗いを
汗や皮脂に含まれるタンパク質汚れは、洗濯だけでは落とし切ることが難しく、衣類に蓄積します。落とし切れなかった汚れは、時間の経過とともに酸化し、黄ばみとなったり、衣類に残った雑菌が繁殖しニオイの元となったりします。
これらを落とすためには、弱アルカリ性の粉洗剤をお湯に溶かし、つけ置き洗いがおすすめです。お湯を使うことで洗浄力がUPし、繊維の奥に蓄積した汚れ・ニオイが溶け出しやすくなります。
おしゃれ着・油汚れを洗うなら中性洗剤
中性洗剤は、衣類の風合いを守りながら洗濯ができる洗剤です。油汚れにも強いので、油じみやメイクの汚れが付いた時は、中性洗剤を塗布してから洗濯すると、汚れ落ちに差が出ます。
市販されているおしゃれ着用洗剤は、中性洗剤です。洗えるニットなどを手洗いするときも、中性洗剤を使います。
襟袖汚れ防止に、中性洗剤で前処理を
黄ばみ・蓄積汚れとして、目に見える状態になった汚れを落とそうとすると、衣類に多少の負担をかけなくてはなりません。そのため、蓄積汚れを残さないデイリーケアを推奨します。
洗濯前に、襟袖など皮脂汚れが溜まりやすい場所や、泥汚れが付いた場所に、中性洗剤を塗布してから洗濯します。新しく買った服を洗濯する時から習慣にすると、蓄積汚れを防ぎ、衣類をキレイに長く着られるようになります。
洗い上がりを変える「洗濯物の量」
洗濯の洗い上がりをよくするためには、洗濯物の量を少なくすることが大切です。
衣類を詰め込んで洗うと、汚れが落ちないだけでなく、洗い上がりがシワになったり、傷み・毛羽立ち・毛玉の要因になります。
洗濯の際は衣類の量を8割程にとどめ、以下の場合は水量を多くしましょう。(ドラム式の場合は、5~7割程)
- 汚れ・ニオイが気になるとき
- シワを防ぎたいとき
- おしゃれ着を洗うとき
- タオル・シーツなど大物を洗うとき
汚れを落とすのは「すすぎの回数」
衣類の汚れは、洗剤が包んで繊維からはがし、洗浄液の中に溶かし出します。そのため、すすぎが足りず、洗浄成分が衣類に残ると、せっかく引きはがした汚れがまた衣類に戻ってしまうことになります。
すすぎの回数は汚れ落ちを左右します。
最近は、すすぎ1回でOKという洗剤も増えていますが、洗濯の際に節水できても、衣類に汚れが残っていては元も子もありません。汚れが落ちていなければ、かけた時間もコストも労力も、すべて無駄になってしまいます。
すすぎの回数は2回以上にし、衣類から洗浄成分と雑菌をしっかり洗い流しましょう。
衣類は、直接肌に触れるものでもあり、ご自身を表現するものでもあります。
肌に触れることで汚れがつきやすい衣類と、デリケートなおしゃれ着とでは、汚れのつき方もケアの仕方も異なります。
どちらの衣類も清潔でキレイな状態を保つためには、「洗い分け」が大切です。衣類に合わせた洗濯で、もっとキレイに長く衣類を着ることができるようになると嬉しいです。