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東京 木枯らし1号の季節

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
木枯らしとは晩秋から初冬にかけて吹く強い北寄りの風のこと(写真:イメージマート)

 東京地方では10月半ば頃から11月末までに初めて吹く強い北寄りの季節風を木枯らし1号と呼んでいます。

 今後も小刻みに寒気が流れ込み、北西の季節風が強まる見通しです。今年は3年ぶりに、東京地方に木枯らし1号が吹く可能性があります。

一雨ごとに秋深まる

 急に涼しくなったという声をよく聞きます。今月上旬の平均気温は西日本と東日本で平年を下回りました。春夏を通じて記録的な高温が続いていましたから、急に秋になったと思うのもうなずけます。

 秋の特徴といえば、雨が降るたびに、北から冷たい空気が流れ込み、気温が下がることです。15日(日)は東日本を中心に天気が崩れ、午前中は東京などで雨が強く降る見通しです。

【雨雲と風の予想図】10月15日(日)午前9時、ウェザーマップ作画
【雨雲と風の予想図】10月15日(日)午前9時、ウェザーマップ作画

 また、天気によって気温が大きく変わるのも秋で、15日(日)の東京の最高気温は20度と14日(土)と比べ3度くらい低くなる予想です。

この秋一番の寒気も

 少し気が早いですが、来週末(21日~22日)は一段と強い寒気が流れ込むでしょう。 北日本の山や峠(標高1,000メートル付近)では雪が降る可能性があり、平地では霜が降りる冷え込みになりそうです。

上空1,500メートル付近の気温予想図(10/19~10/23)、ウェザーマップ作画、筆者加工
上空1,500メートル付近の気温予想図(10/19~10/23)、ウェザーマップ作画、筆者加工

 この冬はエルニーニョ現象の影響で暖冬とされていますが、ひと冬を通しては暖かい冬であっても、一度や二度、強い寒気が流れ込むことはあります。上図(10/19~23)でも、日本列島は東西を暖かい空気に挟まれた格好で、気温の変化がかなり大きくなることを示しています。

 過去最も早い東京地方の木枯らし1号は1988年10月13日です。穏やかな秋晴れが続いて欲しいけれど、木を吹き枯らし、冬の到来を告げる木枯らしが吹くのも近そうです。

【参考資料】

気象庁ホームページ:2週間気温予報

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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