どこまでOK? Netflix「アカウント共有」 家族でもダメな場合も
連休を利用した帰省などで、Netflix(ネットフリックス)をいつもと違う環境で見る機会が増えています。家族との「アカウント共有」はどこまでOKなのか、Netflixに聞いてみました。
「生計をともにする同一世帯」で共有可能
Netflixには画質などの違いで複数のプランがあるものの、どれを契約してもすべての映像作品が見放題になります。ただし無料プランはなく、有料のアカウント契約が必要です。
そのため、家族で楽しむ場合は誰か1人がアカウントを契約し、家族で共有するのが合理的です。Netflixには1つのアカウントに5つまで「プロフィール」を作る機能があり、家族での利用を想定しています。
注意したいのは、たとえ家族であってもアカウントを共有できない場合があることです。Netflixのサイトには、アカウントについて次のような定義があります。
ここで注目したいのは「家族」ではなく「家庭」という表現です。米国のサイトでも「family」ではなく「household」としているように、必ずしも家族とは言っていないことが分かります。
Netflixの広報によれば、日本の利用規約では「生計をともにする同一世帯」であることが条件とのこと。それ以外の人とアカウントを共有した場合は、規約に反する行為になるといいます。
具体的にどこまでOKなのか、Netflixは細かい事例を挙げていないため、利用規約から各自で判断するしかありません。たとえば別々の家庭で暮らしている親子や兄弟姉妹の場合、違反となる場合が考えられます。
一方で、同棲中のパートナーなど、法的な「家族」には必ずしもあてはまらない間柄でもアカウントを共有できる場合はありそうです。
利用状況の判断にあたっては、IPアドレスなどを用いると説明されています。同じ家庭内でも携帯回線で見る場合や、自宅以外の場所で見る場合などさまざまなケースが考えられますが、Netflixでは複数の基準を参考にしているとのことです。
なお、「アカウント共有」と「同時視聴」は別の概念です。同時に視聴できる画面数はプランによって異なり、ベーシックは1画面、スタンダードは2画面、プレミアムは4画面までとなっています。
メンバーを追加できるオプションが始まる?
とはいえ、Netflixのアカウント共有について真剣に考えている人はそれほど多くないでしょう。実際に、離れて住む家族とアカウントを共有している人も一定数いると考えられます。
4月の決算発表でNetflixは興味深い数字を明かしています。世界の有料会員は2億2200万世帯であるのに対し、規約の範囲を超えてアカウントを共有する人たちは1億世帯もいると見積もっています。
ただ、規約違反のアカウント共有を即座に排除しようという空気は感じられません。むしろNetflixの魅力をすでに理解している人たちと位置付け、何らかの形で収益に結びつける方法を模索しているようです。
一部の地域では、300〜400円程度の追加料金で2人までのサブアカウントを追加できるオプションのテストが始まっています。また、これまでなかった広告付き低価格プランの可能性にも言及しています。